2025年12月28日。年の瀬も押し迫ったこの日、私が神奈川県の大山に向かったのには、明確な目的があった。それは、一年の罪穢れを祓い清める年末の神事「師走大祓」に参列すること。新しい年を清らかな心で迎えるため、古くから霊山として信仰を集めるこの地で、静かに一年を振り返りたい。そんな厳かな期待を胸に、冬の澄んだ空気が心地よい麓の町へと降り立った。この時はまだ、この一日が当初の計画とは全く異なる、忘れられない登山へと姿を変えることになるとは想像もしていなかった。 麓の俗世から山上の神域へ。その境界線を越えるための道のりは、単なる移動ではなく、心を整え、聖なる空間へと意識を移行させていくための重要な…