薄茶茶筅荘 私の習う茶道の流儀には茶筅荘(ちゃせんかざり)という点前がある。茶筅荘は「かざりもの」と呼ばれる四種類の点前(茶入荘、茶碗荘、茶杓荘、茶筅荘)の一つだ。 これらの点前は「目上の方から茶道具をいただいた」場合、これを当日の客にお披露目する目的で行われる。茶入荘なら「茶入」、茶碗荘なら「茶碗」、茶杓荘なら「茶杓」。では茶筅荘は茶筅をお披露目する点前なのかというとそうではない。茶入、茶碗、茶杓以外の茶道具(代表的なのは水指)をお披露目する場合の点前とされている。 そもそも「茶道具をお披露目する」とはいったいどういうことなのか。 その昔、織田信長は茶会を許可制にしていたという。戦で手柄を立…