戒厳令下の新宿 ――菊地成孔のコロナ日記 2020.6-2023.1 菊地成孔 著 「あなたにとってコロナとは何だったのか?」――音楽家、文筆家である著者・菊地成孔氏は「あとがき」でこのように問い掛けます。著者が主戦場とする音楽業界は、新型コロナウイルス感染症によって、壊滅的状況に陥れられました。本書に収められた最初の日記は、2020年6月25日に記された「『Sings, Plays & Scats』ブルーノート東京公演前口上」。コロナ禍での最初のライブは、客数は制限され、ステージ上の「密」が避けられ、観客は声を出すことも拍手も禁じられました。「会員制の秘密クラブ」「非合法のパーティー」のよう…