訓読 >>> 1801古(いにしへ)の ますら壮士(をとこ)の 相競(あひきほ)ひ 妻問(つまど)ひしけむ 葦屋(あしのや)の 菟原処女(うなひをとめ)の 奥(おく)つ城(き)を 我(わ)が立ち見れば 永(なが)き世の 語りにしつつ 後人(のちひと)の 偲(しの)ひにせむと 玉桙(たまほこ)の 道の辺(へ)近く 岩(いは)構(かま)へ 作れる塚(つか)を 天雲(あまくも)の そきへの極(きは)み この道を 行く人ごとに 行き寄りて い立ち嘆かひ 或る人は 音(ね)にも泣きつつ 語り継ぎ 偲ひ継ぎ来る 処女(をとめ)らが 奥(おく)つ城(き)所(ところ) 我(わ)れさへに 見れば悲しも 古(いに…