漫画家。1949年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。本名も同じ。
手塚治虫の「新選組」に衝撃を受け、漫画家を志す。1969年デビュー。 少女漫画史上、もっとも重要な作家のひとり。繊細な心理描写と流麗な画面構成は数多くの作家に影響を与えた。 シリアスからコメディまで幅広い作品を手がけ、長篇、短編どちらにも非凡な才能を発揮している。 2007年7月より、「萩尾望都パーフェクトセレクション」全9巻を刊行開始。
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1985年「プチフラワー」8月号~1987年10月号 わたしは絶対この作品をよくわかっていないので今回もっとゆっくりきっちり読んでいこうと思っています。 ネタバレします。 プロローグ「ホウリ・マザ」 漫画はモノクロなのでよくわからないが、美しい少年(?)が光の中を歩んでいる、かのような姿が描かれる。 (つまりキラが彷徨い歩いている姿なのだろう) 一転して老いた男が怒っている場面となる。 老男はどうやら地方から都市へ談判に来たようだ。 要求は「子どもをよこせ」ということだ。 毎年の税も払っているのに約束の「子供」を何年も「都市」が与えないというのだ。 が、都市の代表である男は冷静に「ホウリ・マザ…
1985年「ASUKA」8月創刊号 これはまったくの初読でした。 そのせいもあってか読んだ直後は「どういうことなのか」と戸惑いました。 ネタバレします。 何度か読み返して(何しろ短編なので)ようやく少しつかめてきたのですが私には読み取りにくい話だった。 そのわからなさに宮沢賢治の『貝の火』を思い起こしてしまったのだけど『貝の火』とはまた違うのかもしれない。 若き領主ハプトが学友のメールデールを迎える場面から始まる。 メールデールは僧侶となるのだがハプトは婚約者リアよりも美しいと言う。 ハプトはメールデールに夢鳥(夢を見せる能力を持つ)を見せて「つまらぬ夢を見せた時は打って躾をしてやる」と夢鳥を…
1985年「プチフラワー」2~3月号 これも読んでないと思っていたらしっかり読んでいた。 一番覚えていたのはどのキャラクターでもなく「ばらの花びん」だった。 なぜかこのばらの花びん(タイトルは覚えていなかったのだが)が印象的だったらしい。 ばらの花びん、というより「小さな花瓶」にまつわる物語というような記憶であった。 不思議だ。 ネタバレします。 美しい弟ミシェルが自慢の不美人の姉セザンヌ。そのミシェルの遊び友達で伊達男のマルス。 そしてミシェルが初めて恋をしたのは美しく若き未亡人ファデットだった。 優雅な恋のドタバタ喜劇という感じで楽しい。 実際にヨーロッパの作家の手による戯曲ではないかと錯…
1985年「プチフラワー」1月号 むむ。 これは前回書いた別のバージョンのやつではないか。 ネタバレします。 つまり『船』の男✖男の子の別バージョンだっておもしろくなる、の例。 女✖男の子、のやつです。 この場合、攻めとか受けとかは関係なしで。 主人公の少年は実験を受けている。 地下の実験室。 照明は薄暗く時計もなく時間はわからない。 少年は何日か目なのかもう解らなくなっている。 これはまるでゆっくりと死んでゆく感じだ、と思う。 耳に蓋がしてあるため音はほとんど聞こえず手袋で指への刺激が少ない。 少年が壁の白いテーブルの側に白いボードがありボタンを押すとパネルが開いて機内食のような食事が提供さ…
1984年「プチフラワー」12月号 本作にこそ溺れてしまいます。 ネタバレします。 主人公の少年、定番の親に愛されなかった子どもであり繊細な美しい少年だ。 海辺でひとり何かを探しているがっしりとして無骨な中年男に声をかける。 「なにか、探しているの」 不愛想に答える男は大西洋で難破した船の木切れやらしゃくしやらを拾い上げているという。 少年は手伝おうとして海水に尻もちをつきずぶぬれになる。 男は少年の腕をつかみ「来な」といって浜辺に建つ家に連れて帰る。 もうこの冒頭で悪いことが起きる予感しかしない。 こんな不気味な男に少年は何故すり寄っていってしまったのだろう。 可愛らしい容姿の少年は濡れた服…
1984年「プチフラワー」11月号 うーむ。 ネタバレします。 これは正直に言ってあまり読みたくない作品です。 主人公次子が家族とうまくいっていないのは定番なのですがそこに自分自身も堕胎してしまうという辛い話が加わるだけでなく、女子大とはいえ学生と教師が異性として行為をもったりキスをしたりということが描かれるのが気持ち良いものに思えない。 次子自体にも好感が持てず教師のシロウも好きになれないという意味で稀有な作品でした。
1984年「ぶ~け」10月号 ラブコメSF。 そして萩尾望都SFで重要な男女の性の物語。 ネタバレします。 とにかく不満だ。こんなに欲求不満になる萩尾作品があるだろうか、いやない。 本作はラブ&コメディのほうを重視しているせいでとても知りたい「夜来香星」の住人のセックスの在り方がよくわからない???? あえてぼかしているのかもしれないがココをよく知りたいではないか!(怒) ルゥは自分のことを「男」だと思っている。 それはルゥに「なにかがないから」なのだ。 それはつまりペニスのことであろうと想像する。(というかそうだろうよ) つまりネオは「ルゥにはペニスがないから女性だ。しかもおっぱいも(小さい…
1984年「プチフラワー」9月号 すみません、この作品、私は読んだことがあったのでしょうか。 未読だと思い込んでいたのに、読んでしまうと以前に読んだことがあるような気もしてきて、しかしこんな恐ろしい話を一度読んで忘れることがあるのでしょうか。 それともあまりに恐ろしくて記憶から消してしまっていたのが再読で蘇ってきたのでしょうか。 あの偽王の歯の欠けた口を見て「見たことある?」となってしまいしかし読んだ記憶が曖昧なのです。 それではまさに偽王と同じではないですか。 今、恐怖に怯えています。 ネタバレします。 というデジャヴュなのか、読んだのに記憶喪失していたのか、いやそんな馬鹿なこんな話をという…
1984年「プチフラワー」3月号 この物語がとても好きです。 というかラウルが好きです。 マルシャン、てめえは許さん。 ネタバレします。 といっても私自身もマルシャンなんだろう。 この物語は、というかこの物語もまたとても理屈っぽい話なのだ。 「おとなたちは戦争で多くの人を殺すのになぜ僕が人を殺してはいけないの?」 という子どもの論理をやらかすからだ。 ラウルもまた戦争がなければもしかしたら幸福な人間として過ごせたのかもしれなかった。 戦争でパパが政治犯で処刑されてラウルとママは村八分されそのせいもあってママはラウルを過剰に愛した。 ママを殺すことで生き延びることができたラウルにとって人殺しは生…
2025/2/8 9時起床。少し寝坊。窓の外は銀世界。京都へ出るのはやめて午前中は部屋で日記を書く。NHK+で「東京サラダボウル」。今回は介護現場で働く外国人労働者の物語。「外国人を働かせてやっているんじゃなくて、働いてもらっている」のだというセリフ。まさにその通りで、外国人労働者の労働力にパラサイトしているのは我々日本人なのだ。もうそうしないと成り立たないぐらいに弱っているのだ、この国は。なのに今の日本はデマに基づいた外国人差別を全面に押し出すような輩が選挙に勝って議員になるような国になってしまった。外国人を叩きヘイトをまき散らすことで人気を集めさらにデマを流す。SNSでは真偽不明のデマを注…