漫画家。1949年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。本名も同じ。
手塚治虫の「新選組」に衝撃を受け、漫画家を志す。1969年デビュー。 少女漫画史上、もっとも重要な作家のひとり。繊細な心理描写と流麗な画面構成は数多くの作家に影響を与えた。 シリアスからコメディまで幅広い作品を手がけ、長篇、短編どちらにも非凡な才能を発揮している。 2007年7月より、「萩尾望都パーフェクトセレクション」全9巻を刊行開始。
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「フラワーズ」2022年7月号- 8月号、10月号、2023年1月号 - 2月号、6月号 - 7月号、9月号、11月号、2024年1月号、8月号、10月号 と、前回悲劇的な感じに襲われましたが今回本作そんなことは忘れたかのように面白いのでありました。 ネタバレします。 どういうわけか本作は『ポーの一族』始まって以来最高の活劇ものになっている。 神のように美しく千年間眠り続けている兄を持つ悪魔的なバリー。明るくハンサムなファルカと美しいブランカ夫妻。 そして御大と呼ぶにふさわしい大老ポーの登場。 エドガーは燃え尽きて炭と化したアランをアタッシェケースに入れて持ち歩いている。 萩尾氏は少女マンガの…
「フラワーズ」2019年7月号、2020年8~11月号 「フラワーズ」2021年6~8月号、10~11月号 第10作「ランプトンは語る」の前日譚です。 アーサー・クエントンとエドガーとアランの物語。 ネタバレします。 この二巻の間に一年以上の時間が経ち萩尾氏の絵がはっきりと変化していくのがわかる。 物語は40年前と比較すると格段に円熟し深みを感じさせるが絵は肉体の変化が露骨に出てくるものなのだろう。 構成、演出、構図は素晴らしいのだが「線」だけはどうすることも出来ないのかもしれない。 逆に言えば萩尾氏はペン入れを他の人に任せることなく自身で行っているのだろう。 人はこの作品をどんな気持ちで読む…
『フラワーズ』2018年7月号 - 9月号、2019年5月号 - 6月号 1976年にロンドン、エヴァンズ家での火事でエドガーとアランが姿を消してから四十年経ち2016年にエドガーとファルカが再会する、というところから始まります。 そのための先に『春の夢』だったのでしょう。 つまりエドガーはアランが火の中に落ちた後ひとりだけで行動することはなかったのですね。 ネタバレします。 ファルカは「壁を通り抜けて思った場所に出られる能力の他に「鳥のネットワーク」を持っているという。 なんだかわくわくする展開だ。 そしてエドガーはずっとグールのような怪物の姿になっていたという。 さらにエドガーはアタッシェ…
「フラワーズ」2016年7月号~2017年3~7月号 とうとうここに辿り着きました。 これまでの何度も読み返した作品群とは違いここからは私目を通してはいますが解像度はかなり低いです。 とはいえ自分自身楽しんで書いていきます。 ネタバレします。 40年ぶりの新作。そしてそれ以上に再びアランが登場すると聞いて私も他のファンと同じように嬉しく読んだ。 且つ新作が単なる懐かしさに留まるものではなく新しい局面を見せていくことに萩尾望都の物凄さを感じる。 40年前のエドガーは孤高の超人の思わせた。恐れを知らぬ佇まいと高い能力に魅了された。彼がなぜ怯えもせず生活できるのかわからなかったが本作を読んでエドガー…
1976年「別冊少女コミック」4~6月号 『ポーの一族』シリーズ15作目。現在の再開に至るまでは長い間ここで最終作となっていました。 ネタバレします。 この一作については様々な思い出があります。 まずはなんといっても衝撃的な終わり方。 私はどんな終わり方であろうともエドガーとアランは永遠の時を生きるのでしょう、というような夢みる終わり方になるとなんとなく信じ切っていて疑わないでいたのだ。 それがアランの死、というそれまでのどんなマンガいやコンテンツから受けたことのない残酷な仕打ちをされしばらく茫然とするしかなかった。 なぜ作者はこんな冷徹なエンディングを与えたもうたのか。 悲しかった。 折りし…
1975年「別冊少女コミック」12月号 アランの一週間の物語です。 ネタバレします。 というか上に書いた通りでエドガーが出かけて一人切りになったアランの一週間を描いたほのぼのほっこり一編。 この作品がラストのひとつ前とは思えない。というかラストひとつ前と思って読むと泣けてしまうではないか。 という以前の涙も今は払拭されたことがなにより嬉しい。 雨の日に出かけなければならないというエドガーに文句をいうアラン。 なら留守番してな、悪さするんじゃないよ一週間で帰ると言ってエドガーは出かけてしまう。 こども扱いするエドガーに愚痴るアランだが考えたらうるさいエドガーは一週間いないんだとはしゃぎだす。 翌…
1975年「別冊少女コミック」11月号 シリーズ第13作目。 前作「はるかな国の花や小鳥」の男性版ともいえる内容でありますがこちらはまったく明るい感じです。 ネタバレします。 私的にはこちらも女性でやって欲しかった気もする。 とはいえ仕方ない。 これまで第9作「リデル・森の中」と第10作「ランプトンは語る」でエドガーを追い続ける老紳士オービンがどうしてエドガーを追いかけるようになったかを描いているのだから。 オービンはもともと魔物が好きで伝説やら妖精やらを研究し旅をしていた男だった。霊感を強めようと髪を長く伸ばしていた。 が、男が髪を長く伸ばしているのは嫌がられる時代。思いを寄せていたイゾルデ…
1975年「週刊少女コミック」37号 正直言ってこのエルゼリさんが好きになれないのですが何故この話を描かれたのかと考えてみました。 ネタバレします。 萩尾作品は「そんな簡単に人生は送れない世界」を描いている。その上で「なんとかなるさ」的な明るさ希望を見せてくれる話が多いので好きなのだが本作は救いのない話になっている。 今回の主人公エルゼリは美しい女性で「町の合唱隊」を自分で作り練習させている。 いつも微笑みを浮かべている幸福な女性なのだ。 なぜ幸福なのかというと決して現実の嫌なものを見ないようにして薔薇やアップルパイや歌など自分が好きなものだけを大切にして生きているのだ。 「自分の好きなものだ…
1975年「別冊少女コミック」8月号 なんだか不思議な味の小品です。 ネタバレします。 ポリスタ―卿というポーにしちゃお人好しな男性がリリアという美しい少女を育て上げ二十歳になったら自分の配慮として一族に加えるつもりだったのだけどその前に殺され消え去ってしまう。 何も知らない美しいリリアは優しかったポリスター卿が突然行方不明になったことを悲しみながらも愛し合っているポールと結婚できることに喜びも感じていた。 この物語で「ポーの村」というのがエドガーたちにもどこにあるのかわからなくなっている知る。 ポリスター卿はポーの村への入り口を見つけてエドガーたちを連れていく約束をしていたのだ。 しかし彼が…
1975年「別冊少女コミック」7月号 シリーズ第10作目。これまでの一連の物語がここに収束される。 この一編がとても好きです。 この一編だけでもいいほどです。 ネタバレします。 1966年、かなり現在に近づいてきた。 とはいえ古い館で配線工事もまだの為ランプをともしての会合が始まる。 最初の説明はなくゆるゆると何の会合なのかが判ってくる。 (まあ、『ポーの一族』シリーズなのはわかっているのでそれ関連だろうと思われるはずだ) 老紳士が一枚の絵を来訪客に見せる。 ひとりの愛らしい少女が「あらトーマス・ロレンスの「ランプトンの肖像」だわ」と発言する。 老紳士は「そのとおり。だがこれは模写です」という…
残酷な神が支配する、で(萩尾望都先生)にて、 どんなに酷い目に遭い、そこから更正や立ち直りを試しても、 被害者(あらゆる苦痛や精神的傷)は 過ちに手足を突っ込み なかなか献身的な親切すら無下にする行動を取る。 傷とは、まさしくレコードについたキズみたいに、何度も痛みを伴う過ちを繰り返す。 立ち直りは遥かに時間がかかるし、重荷になりやすいし、 実は手放した方が楽である。(身勝手に首を突っ込むだけで、相手に責任すら取れないなら) みたいなくだりがあります。 ランニングしている83分の間を、私は何度も何度も、 先日記した急須のこと 仕事を私用で断ったこと(悪いとは思ってない、ただ、安易に使われかけた…
図書館で借りた本。一冊一冊は意外なほど薄いが、内容は濃い。 歴史的にはサンバンテルミの虐殺からナントの勅令まで。 ナヴァル王も浮気な男だが、マルゴも負けてはいない。主に宗教戦争の話だが、ヨーロッパの王族の婚姻関係は複雑で王位継承の戦争も起こる。婚姻関係が複雑なのは、後宮を持てないせいもあると思うので、俺にはみんなキリスト教のせいのように思える。 マルゴの魔性は老いても(というか老いずにいつまでも若々しいので)衰えない。 この話の良いところは、マルゴは恋人が死んだりして悲しむことも多いけれど、それでも好き勝手に生きて、財産も守ってそこそこ楽しそうに過ごしていることである。悲劇の女性という役割では…
1975年「別冊少女コミック」5月号 シリーズ第8作。 第4作「ポーの一族」の続きとなる。 ネタバレします。 妹メリーベルをヴァンパネラ一族に加えて後失い、今度は友人になったアランを仲間にと願ったエドガー。 だが一日で蘇生したメリーベルと違いアランはなかなか目覚めない。 エドガーは物思いにふけるばかり、というお話。 話を追うにつれ時間が経つにつれエドガーは以前のヴァンパネラになったことに思い悩むことはなくなり人を襲って血を吸うことには何のためらいもなくなっていく。 本作で物思いにふけるのはひとりでは寂しいからアランよ早く目覚めてくれという願いばかりなのだ。 アランが目覚めないのはペニーレインの…
1975年「別冊少女コミック」1~2月号 『ポーの一族』シリーズ第7作。前作「小鳥の巣」で終了するはずだった本シリーズの再開最初の作品です。 ネタバレします。 実は『ポーの一族』三部作が終わって以降が面白いのかもしれない。 「エドガーを見たことがある」シリーズは『ポーの一族』第一弾「すきとおった銀の髪」から始まっている。 本作ではエドガーの青い目に夢中になってしまうヘンリー・エヴァンズ伯爵、と思いきや豈はからんやエドガーを目の敵にしまくったロジャーと傍観者ドクトル・ドドが「エドガー追跡者」となっていくのである。 この一作もとてもおもしろい。 常に自信に満ち堂々と立ち居ふるまうエドガーが馬車の事…
youtu.be BUCK-TICK / 雷神 風神 - レゾナンス MUSIC VIDEORaijin Fujin - Resonance - SingleBUCK-TICKロック¥509 サンシャin 薬の都合で二週間に一度の通院だったけど 転院したら四週間に一度になったぞい。 良い事だらけだ。 なんで病気や障害ある人が役所に出向いて色々手続きしなきゃいかんのだろうか。 冷静に考えたら変な話だ。不正を疑うならそちらが来いというお気持ち。 外国人ヘイトでうるさい人 同じ事してる日本人に同じ事言えるんすか? 物事の先を辿って行ったり、様々な角度から物事を考えると そうはならんだろうと思いますけ…
1973年「別冊少女コミック」1月号~3月号 バンパネラであるエドガーとメリーベルのまだ人間だった頃のお話です。 ネタバレします。 1700年代。 初めて読んだ時は考えてもいなかったが読みかえしていくとはっきりとこの物語が見捨てられた子どもの話だと認識させられる。 エドガーとメリーベルは実際は殺せと命じられて殺されずやむなく捨てられてしまう。 それを拾ってくれたのが老ハンナ・ポーだった。 エドガーたちはハンナの館で育てられるがここでも村人たちから怪しげな者たちとして疎外されている。 昔は何も思わずポーの雰囲気にひたっていたが今読むと(今更!)なぜポーの一族は「年を取らず永遠の時を生きる」という…
貧すりゃ鈍すってことで、積極的に図書館で漫画を借りることにしたのである。 先日読んだ「杖と翼」が「ヴァンデーの虐殺」を扱っていたのに対してこっちは「サン・バルテルミの虐殺」を扱っている。フランスの歴史は虐殺の歴史か(他の国も同様なことはあるかも知れないが)。4巻だとまだその直前だけど。 それよりも、マルゴ(マルグリット・ド・ヴァロワ)の男を魅了する力が凄い。小さい時から既に魔性の女だ。そして、マルゴ以上に存在感があるのが、母后カトリーヌ・ド・メディシスである。彼女はカトリックとプロテスタントの戦いを避けようと、努力を重ねるのだが。 王妃マルゴ -La Reine Margot- 1 (マーガレ…
1972年「別冊少女コミック」9月号 - 12月号 この4話めが私の萩尾望都初遭遇です。 いきなり4話目、打ちのめされました。 ただしどうもリアルタイムではなかった気もします。 ネタバレします。 というわけで私は本作(4話目)が初体験だったので逆に驚かなかったのだけどずっと萩尾望都マンガを読んできた人、編集者も含む、は驚嘆したということはないのだろうか。 今回萩尾望都の軌跡を追いかけてきて思うのだが、この前の作品『毛糸玉にじゃれないで』からのこれというのは物凄い変化だ。 むろんこの間に先日あげた三作があるのだけどこの三作を描くうちにここまで激しい上達というのか成長というのかいわばレベルアップを…
WingMakershttps://wingmakers.com/ WingMakersの初出は1998年でした。https://www.wingmakers.us/ 日本でウイングメーカーのタイトルで書籍化されていたのは2005年から2006年にかけてでした。その後2012年に新書として発売されましたが今ではどれも買えません。 もともとが、そして今でもWebサイトで無償公開されているものなので、英語のわかる人なら一部を除き全て読めます。難解なものが多いかもしれませんが。紙の本による日本語翻訳を熱心に読み込んでいた時代、ネットでの機械翻訳はまるで使いものにならず、なんのこっちゃ?な意味不明な日…