漫画家。1949年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。本名も同じ。
手塚治虫の「新選組」に衝撃を受け、漫画家を志す。1969年デビュー。 少女漫画史上、もっとも重要な作家のひとり。繊細な心理描写と流麗な画面構成は数多くの作家に影響を与えた。 シリアスからコメディまで幅広い作品を手がけ、長篇、短編どちらにも非凡な才能を発揮している。 2007年7月より、「萩尾望都パーフェクトセレクション」全9巻を刊行開始。
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2021年 「諸星大二郎デビュー50周年トリビュート」より 今のところこの作品が今回の「萩尾望都マンガ作品読み返し」の最後の作品となります。(wiki記録にて) ほんとうはこの後そして現在も『ポーの一族』シリーズを描かれているのですが記事の書き方としてシリーズものはまとめて記すことにしたので『ポーの一族』シリーズは過去記事としてまとめています。 時期としては2024年10月号掲載の「青のパンドラ」が最後です。(wiki記載に従って書いているだけなので間違いはあるかもしれません) とはいえ今後の発表、というか私の場合は単行本になってからの記事になりますがその場合はこの後に続けて書いていくはずです…
2020年「Apple Store」 萩尾望都初の完全デジタルで製作された本作『ガリレオの宇宙』がApple Storeにて公開中(2025年4月30日現在) その詳細はこのサイトに記されています。 www.hagiomoto.net 初完全デジタル作品がガリレオ・ガリレイの物語というのもさすがという感じです。かっこいい。 デジタルはそれまででも活用されてはいるようですが。 しっかしうまいし楽しい。そしてこの 笑ってしまう。色々使えそう。 異端と言われて書くことを禁止されていてもちゃんとこっそり書いてるガリレオ・ガリレイ。 萩尾望都氏は共感するはずだ。 ではその作品にリンクしておこう。 ガリレ…
2018年「週刊モーニング」1月25日号 2011年の東日本大震災後、2012年『なのはな』で福島原発事故後の人々を描き、2013年『AWAY』では世界の破滅への畏怖を描き、7年経ってまた本作を描いた。 やはり萩尾望都の悲憤は福島原発にあるのだ。 ネタバレします。 男がひとり草茫々の中に建つあばら家に向かい傾いだ家の戸をこじ開ける。 頭の中では妹の声が彼を導いていく。 妹の声は男に「汚いし危ないから靴のまま入っていって」というが男は靴のままじゃ上がれないと靴にビニール袋をかぶせて入る。 家の中はすでに荒れ果て泥棒も入っていたようだという。 二階は動物が住み着いていたのか臭いのだという。 「あま…
2016年「月刊アフタヌーン」5月「ネオ寄生獣」より 残念なことに私が『寄生獣』をまったく読んでいないので原作との照らし合わせなどの面白みを味わえないのですが、その上での感想です。 ネタバレします。 そして本作自体も今回初読みだったのだが原作『寄生獣』を読んでいないのが悔しいほどの名作ではないのか。 私がこれから原作『寄生獣』を読むかどうかは未定だが知らずに本作の感想を持つのは読んでからではできないので原作未読の本作への感想もまた良いのかもしれない。 本作の主人公・由良は病院の中の病室で三歳までを過ごし「ふつうの子」と診断される。 神田夫妻の養女となって神田由良として成長する。 感情表現のない…
ep3から「3月21日」世界が分かれた日です。 ネタバレします。 つまりep2から時間が戻ってAWAY世界では大人たちがどこかに行ってしまったと子どもたちが途方に暮れている。 ここで登場するのが大介が所属するバスケ部の後輩、河津克巳である。 ちょっと昨今のマンガではあまり出てこない個性的容貌の持ち主といえる。 しかも彼はとんでもない活躍を見せる。 それに関わってくるのが次に登場する不思議な笛少女ネネちゃんだ。 場面緘黙症だという説明がされる。 リコーダーを首から下げてピーッと吹くことでなんらかの意思表示をしているようだ。 AWAYでは子どもたちがどうしたらいいのかわからず不安の中で試行錯誤して…
「フラワーズ」2013年6月号~2015年8月号 本作『AWAY』多くの方が評しているように「おもしろいんだけどあまりにも短い」 そしてなにか構成が破綻しているようにも思えます。 いつもやっているようにストーリーを追っていくべきかとも思いましたが、今回はストーリーよりも思ったことを書き記していきます。 ネタバレします。 ある日突然世界が18歳以上とそれ未満の二つに分かれてしまう。 それが「HOME」と「AWAY」 18歳以上の大人世界が「HOME」 未満世界が「AWAY」 「HOME」で赤ん坊が産み落とされたらその子は「AWAY」世界へ飛ばされてしまう。 「AWAY」である子が18歳となったら…
最終巻です。 ネタバレします。 美しく気高いマルゴは最期までアイデンティティを失わなかった。 自我を持ち続けた女性だった。 彼女は母后カトリーヌに厳しく躾けられ母を怖れ続けた女性で、だからこそ萩尾望都はマルゴを描いたと思われるのだが作者自身の成長のためか、マルゴは母を嫌悪しながらも上手く回避し時には逆らって行動していく。 以前の萩尾マンガにおける母親にはなんの対処もできないままの主人公とは大きく違うのが今回読みなおして感じたことだった。 母后は政略に子供たち、むろんマルゴも使っていき場合によっては死へ導く場合もあるのだがマルゴ自身は「そういう人だから」とため息しつつ開き直っている。この強さを萩…
うるわしい『王妃マルゴ』もついに七巻となってしまいました。 ネタバレします。 マルゴはナヴァルのアンリをベアルンに残しひとりフランスに戻る。 そしてサパン、今はジャックと呼ばれている我が子とついに再会する。 ジャックは父親かと思っていたアンリ三世にも失望しマルゴが近寄っても反発するのだった。 マルゴはすべてアンリ三世の仕業だと気づき改めて兄アンリに憎悪を抱く。 がアンリ三世のほうもマルゴに悪態をつきパリから追い出してしまう。 その後もジャック(サパン)を間にして兄アンリとマルゴの確執は続く。 アンリは本当に愛してほしかった人からは愛されないと嘆くが母から溺愛されデュ・ガストという忠実な愛人が長…
さすがに表紙になることはないがやはり歴史的に一番のヒロインはなんといってもカトリーヌ・ド・メディシスでしょう。 彼女の表紙は・・・・無理ですかねえ。 ネタバレします。 シャルルが24歳で死去。 アンジュー公アンリはポーランド女王に言い寄り宝石類をだまし取って(ほんとに?)フランスに逃亡帰国。 そしてフランス国王となる。 コンデ公の妻で身重のマリーを后にしたいと願い出るが(母后のさしがねでか?)マリーは葬り去られる。 (ここにアンリ三世はデュ・ガストを使い手紙を届けさせたためにアンリはデュ・ガストがマリーを毒殺したと疑うこととなる) アンリ三世は悲痛のあまり髑髏の衣服を纏う。 母后に逆らいルイー…
ではマルゴ自身をどう思うのかと言えば強く惹かれます。 一般的な歴史としては派手な男性遍歴と謳われてしまう彼女ですがこうして萩尾望都のマンガとして描かれれば純粋に愛を求めた女性として共感できるし魅了されます。 ネタバレします。 五巻の冒頭は萩尾望都『王妃マルゴ』の中でも圧巻だ。 母后カトリーヌはカトリックの王女マルゴとプロテスタントの王アンリの結婚を契機に一気にユグノーの一掃を企んだ。 この時母后は娘マルゴを夫の寝室へ向かわせる。 幼い頃にも殺戮に怯えて泣いた国王シャルルは自らの命令で虐殺されていくユグノーの死体に奇声をあげながらも狂ったように銃を撃ち続ける。 大虐殺を率いていくのはアンリ・ド・…