漫画家。1949年5月12日、福岡県大牟田市生まれ。本名も同じ。
手塚治虫の「新選組」に衝撃を受け、漫画家を志す。1969年デビュー。 少女漫画史上、もっとも重要な作家のひとり。繊細な心理描写と流麗な画面構成は数多くの作家に影響を与えた。 シリアスからコメディまで幅広い作品を手がけ、長篇、短編どちらにも非凡な才能を発揮している。 2007年7月より、「萩尾望都パーフェクトセレクション」全9巻を刊行開始。
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1978年「別冊少女コミック」3月号~5月号 なぜ萩尾望都はこの作品を描いたのでしょうか。 まるで観てきた西洋映画をひとまとめにしたような、いわばオリジナル性の低い、ある意味奇妙な作品にも思えます。 しかしこうして執筆順に追いかけていると『百億の昼と千億の夜』(1978年2号まで)の直後に描かれたと思しきこの作品、前作のとてつもない大宇宙から地球へ戻ってきたためかもしれません。 と言っても飛行機の話ですしこの後今度は『スター・レッド』でまた宇宙です。 そう考えると、地球でのひとときのやすらぎを描いたようにも思えます。 ネタバレします。 登場人物設定は萩尾望都作品の基本線「奔放な美少女とそれに翻…
ああ、ついに最終章へと。 ネタバレします。 阿修羅とシッタータはこれまでの歴史を思い起こしていた。 おそらくは遠い昔に弥勒達のたくらみに気づいたものがいて弥勒の計画を阻止し人々を助けようとしたのだ。 いたるところにその指示が残されていたはずだ。 それらは現存の神とはことごとく正反対の意味を持ち真っ向から神に対立したのだ。それはそうだ、そもそも目的が違うのだから。 それゆえ彼らは善の神に対する悪の神として否定され存在をうしなっていったのだ。 例えば阿修羅、おまえもそうだ。 色即是空、彼岸、これらの言葉は超越者の存在を無に帰する宇宙を預言し忠告していたのだ。 だがすべての言葉は、警告は永い時にこと…
美しいいいい。 阿修羅王。 ネタバレします。 第16章「☆アスタータ50」 神よ なにがいけなかったのです なぜ失敗したのですか 滅びの伝説は語る 終りが来る 終りが来る やがて一切の終りが来る シュメール モヘンジョ・ダロ 神よわれわれはあなたのしもべ あなたがこの宇宙この大地を造られた時より この先これからに 何をお望みなのでしょう これは抗いがたい運命ですか もう取り返しがつきませんか では来世は> 最後の審判はいつ? われわれの長い祈りを願いを お聞きください 神よ 阿修羅、シッタータ、オリオナエ、三人の戦士はついに アスタータ50に到着した。 しかしそこも見渡す限り荒れ果てた場所であ…
読めば読むほど不思議な作品です。 ネタバレします。 第14章「☆トバツ市で待つもの」 「おまえはなぜゼン・ゼンにいたのだ」というシッタータの問いにイスカリオテのユダは答えた。 かつて闇に包まれたゴルゴダの丘で巨大な手がイエス・キリストをつかんだ時、私は一つの信号を聞いた。 すべては〝シ”の計画 すべては惑星委員会の行動の結果であると 私は委員会の連中に支配されてしまい四千年の間、ゼン・ゼン・シティーでひとり待つはめになったのだ。 そして「ナザレのイエス」というキーワードで目が覚めた。支配が解かれたのだ。 私はこの長い年月委員会が計画的におびき寄せてくる星々の多くの戦士たちを一人ずつあのスイミン…
シッタータ、すっかり俗世に戻っちゃったねえ ネタバレします。 第12章「☆コンパートメント」 B・6号をつれたシッタータは個室のドアを開ける。 そこにはなにもなくホコリだけが積もっていた。 「なんてことはない。空室だ」とシッタータが口にした直後、その何もない空室の差し向かいの壁から奇妙な動物、牙のはえた牛のような犬のような不可思議な動物が現れ中央ですれ違うとまた壁の中に入っていった。 シッタータは慌ててドアを閉めるや「いまの見たか」とB・6号に問うが彼は「いいえ、なにか?」と答えただけだった。 隣の部屋を開けても何もない。同じような空室だった。 しかしシッタータの耳に変な音が聞こえだしたかと思…
ここから第2巻に入ります。 こうやって少しずつ読むことで何かをつかめたらと期待しています。自分にw ネタバレします。 第9章「戦士たち」 シッタータはオリオナエが囮だったのではと考えた。 そのとおりその背後にはナザレのイエスがいたのだ。 イエスはどこかに隠れながら人々を攻撃していく。 またもやオリオナエの眼前で若い男女が殺されてしまう。 むすこのハルトとその婚約者アリナを思い出すオリオナエ。そのオリオナエも撃たれる。シッタータはイエスの姿を見つけ攻撃した。 見えたのは薄汚い男だった。 シッタータはオリオナエを抱き起す。死んではいない。 そして彼は自分の国だったアトランティスの話を始める。 一万…
一巻の終わりの章です。この人、だれだろうかと思いました。 ネタバレします。 第8章「トーキョー・シティー」 冒頭、魚人の登場。 長い年月の間海の中で彼は暮らした。 空腹を覚えては魚類を食べ疲れては海底で眠った。 もう定かではないほどの長い年月一人で過ごした。 目を覚ますとウロコが落ち新しい皮膚のような者が現れていた。 彼は陸へと上がる。 大きな建物の前に「2902TOKYO」という文字を見つける。 しかしそれは都市の設立の年でありそこからすでに千年の時が過ぎていた。 それを教えてくれたのはオリオナエだった。そして魚人から人間に姿を変えた青年はあのシッタータであった。 オリオナエは「私は道標だ」…
この絵最高ではないでしょうか。 阿修羅は「少女」と設定されていると思いますが、そうすればこの話もやはり「奔放な美少女とそれに翻弄される男」の話の一つですね。 ネタバレします。 第五章「弥勒」 冒頭でかなりSM的な阿修羅とシッタータの絡みが表現される。 むろん、阿修羅=サド&シッタータ=マゾのかなり痛い表現だ。 阿修羅によってリフトに乗せられたシッタータは自分一人だけが地下へ(すごい勢いで)降下していく、と感じて「あしゅらおう」と叫んでしまう。 ところが阿修羅はずっとシッタータの背後に立っていたのだ。 「あ そこに!」と気づきシッタータは膝をついて涙してしまう。 それを見た阿修羅はちょっと心痛む…
ネタバレします。 第2章「シッタータ」 シャカ族の太子シッタータは出家を決意する。 妻子を残し「国を見捨てるのか」と咎めるウッダカの剣は太子を止めることはできなかった。 シッタータはバラモンたちに導かれ兜率天へと向かう。 気づくとシッタータは八寒地獄かと思える極寒の場所にいた。ここは忉利天だと告げられる。かつて至楽の地だった場所が八万年壊滅に瀕すること甚だしいという。 四王天の上方虚数座標二ー三の空間のひずみが原因なのだ。 熱エントロピーが極めて小さくなりすでに熱量の変化は無くこの世界は冷えていくばかり。 しかもそれは忉利天だけにとどまらず六欲天すべてに変動があり破滅へと向かっている。 この宇…
1977年34号~1979年3号「週刊少年チャンピオン」 ついに来ました。 この作品は今まで持っていたのにかかわらずよく読めてなかったので今回を機にきちんと読みたい所存です。 ネタバレします。 読んだ人はすべからく阿修羅王の記憶だけは絶対残るはず。 あのビジュアルのすばらしさは無二。 序章「天地創造」 今もかもしれないがかつてのSFの始まりはこうした神々しい厳かな導入部が多かった。 しかしその後そのクオリティを維持できるかどうかは個々に違うが本作はその稀有な例ではないだろうか。 第1章「アトランティス幻想」 一転してプラトン(後にオリオナエ)の牧歌的とも言えるエピソードに入っていく。 彼はアテ…
机に座ったまま寝てました。睡眠不足?? 1万字以上書いてもタイプミスは治らないままです。 脳のリハビリとは無関係なのかな…(ーー;) 私らの頭には「家電などは壊れたら買うもの」という認識があります。その延長でIT機器も壊れてから慌てて買うのが通例でした。いままでのMacの買い替えも前のが壊れたから、のタイミング。追われるのでセットアップもやらざるを得なくて。今回は旧Macが完全には壊れてないから思い切った対応が出来ません。困ったなあ。 同じ心理で5年近く使ってるスマホも壊れてないから買い替えられない。そういう世代なんだと思いますが(^^;) 病院に行っていました。こういうのはだいたい弟です。頑…
第一章 使用上の注意をよくお読み下さい 本文の成立について まず、個人的な状況からはじめたい。 僕は過去、「マンガ読み」だった(いまは全然読めてないのでマンガ読みからは落第した)。 そして僕は現在「小説読み」であり「映画好き」である。そういう僕はいつの日か、「源氏物語」と接触しなければいけないことになった。物語や小説というフィクションに触れ、それを成長過程とともに「止める」「興味を他の場所へ移していく」あるいは「卒業」しない限り、「字を読むこと」が好きな人は、多かれ少なかれ、「源氏物語」という「物語の波」のようなものに近づいていく。 僕は数年前、それに近づいた。で、おもった。「面白い。でもわけ…
1977年「週刊マーガレット」9号 ということは『霧笛』と『みずうみ』同時掲載だったってこと? 本作は萩尾望都の基盤「奔放な美少女に翻弄される男」のブラッドベリ版ということですね。 手塚治虫『シュマリ』『陽だまりの樹』そして萩尾望都の一連の作品特に『花と光の中』『影のない森』の男にようにブラッドベリもまたひとりの少女を想い続ける男という題材を描いているわけです。 というか本作を選んでしまうところにこの題材が好きなことが見て取れるのです。 マーガレットさん、なんの罪もないのにお気の毒。一途な愛のおぞましさよ。 (いやもちろん私も好きなのですが) 原作は「10月はたそがれの国/THE OCTOBE…
1977年「週刊マーガレット」9月号 萩尾氏は「まさか私がブラッドベリを漫画化できるとは」と語っていますが私も「まさかブラッドベリを萩尾望都作画で読めるとは」と思いました。 ここに収められた物語はやはりどれも好きなものでした。 そんな思いとは別に。 このマンガは「週刊マーガレット」掲載だったんだあと驚きました。 集英社だったとは!小学館何やってんだあと思ったら今現在文庫本として販売されているのは小学館なのね。 でも私は下を持っていました。 こちらも持っていますが。 本巻ではタイトルの『ウは宇宙船のウ』が冒頭に収録されていますがいつもどりwiki年表に従い発表順の『霧笛』から記述していきます。 …
1977年「月刊プリンセス」3月号、4月号、7月号 wiki年表に従い記録しています。 私は下の本で読みました。 「少女ロマン」は一番最後にのってます。萩尾望都の詩と童話とイラストが詰まった一冊。おみのがしなく。
1976年「少女コミック」14号 はあ?何これ?という作品であります。 といっても悪いのではなく、マンガ作品として素晴らしいのですがとにかくこの男子ルーイの人格に問題があるのです。 ネタバレします。 なにしろつい最近になって手塚治虫『シュマリ』を読んだのでこのルーイとシュマリを重ねてしまう。 『シュマリ』は手塚治虫著1974~1976年作品なのでほぼ本作と同時期作品なのはちょっとした驚き。 シュマリは元自分の妻だった妙をひとすじに愛していて新しく出会った女性峯とも関係をもつくせに妙の事しか考えていない。 本作のルーイもイザベルの面影だけを追い続けていて同じ名前で違う容姿の女子を罵倒し突き飛ばす…
『グノーシア』始めました この中に、グノーシアが居る――。 星の海に漕ぎ出した人類の前に現れた謎の存在・グノーシア。人類とは異なる生命体グノーシアは人間のふりをし、嘘をつき、標的とした人間を“この宇宙”から消滅させる。 グノーシア汚染が確認された宇宙船の中で、乗員たちは生き残りを賭けて、議論し、投票し、グノーシアを冷凍睡眠に追い込まなければならない。 だがグノーシアもまた、船の支配を目的として、巧妙な奸智を駆使しながら議論をくぐり抜け、乗員を消していこうとする。 果たして生き残るのは、人間か、グノーシアか……だがどちらが勝つにせよ、宇宙はループを繰り返すのだ――。 以前から気になっていた『グノ…
あなた: ちょっと別のチャットで、こんな話してたんです。 <70年のアニメ「名犬ジョリー」は、雌を雄に性転換した。「こうやってアニメでの性転換という文化が進んでたのか」みたいなアニメ文化論「性転換」で何か書けそうだよなって思ったり。 映画大林宣彦の「転校生」の原作も70年代でしょう? 何か関係あるのかもですよ笑 > ここからあなたと掘り下げを進めた3秒で考えた文化論はこうです。 <あなた: おそらく50年代にはアメリカでも日本でも言えないんですよ。こんなことは。 性差と性別役割は頑丈なものであらねばならないってのがあった気がするんです。 ところが、公民権運動と共に、社会が動く。 既成概念にひび…
こんにちは、ひねもすおもしろいマンガを読みたいホビヲです というわけで、「このマンガがすごい!」歴代のランキング作品をすべてまとめた。表紙画像クリックでAmazonへ、試し読み、あらすじやレビューも確認できるのでご参考まで。 それではいってみよう! このマンガがすごい! 2025宝島社Amazon このマンガがすごい!2025 2025年 オトコ編 ランキング 1位『君と宇宙を歩くために』泥ノ田犬彦 2位『ふつうの軽音部』クワハリ/出内テツオ 3位『どくだみの花咲くころ』城戸志保 4位『ザ・キンクス』榎本俊二 5位『路傍のフジイ』鍋倉夫 6位『カグラバチ』外薗健 7位『雷雷雷』ヨシアキ 8位『…
1974年「少女コミック」19号~52号 『ポーの一族』と共に萩尾望都の執筆期70年代の代表作です。 ここまでの記事で「萩尾望都と言えば少年のイメージが強いが実は魅力的な少女を数多く生み出してきた」と書いたのはこのふたつの代表作の主人公が少年であったからでした。 少女マンガで少年が主人公でしかも少女はほとんど出てこない、というのはそれまでになかったことだと思えます。 この作品がコミックスだと三巻、それぞれ別マンガ作品が収録されているので実質二巻ほどで描かれたのは今では信じられない濃厚な内容です。 尚且つこれ以上足す必要もないと感じさせるものでもあります。 ネタバレします。 と言っても本作はとこ…
2024年コミック読書総数 14冊 オススメ本ベスト21.「海のアリア」 萩尾望都 小学館文庫2.「金の国 水の国」 岩本ナオ 小学館フラワーズコミックスアルファスペシャル (オススメは、2024年中に最終巻まで読み終えた作品から選出してます。2024年現在、未完の作品はのぞきます) 【4月】1.「ふしぎの国のバード」第11巻 佐々大河 ハルタコミックス2.「金の国 水の国」 岩本ナオ 小学館フラワーズコミックスアルファスペシャル3.「マロニエ王国の七人の騎士」第1巻 岩本ナオ 小学館フラワーズコミックスアルファ 4.「マロニエ王国の七人の騎士」第2巻 岩本ナオ 小学館フラワーズコミックスアル…