相国寺は京都御所の北側、同志社大学の東隣という正に京都のど真ん中にあります。京都五山の第二位という大変高い寺格を誇り、四万坪という広大な敷地を持つ歴史ある寺院なのです。しかし「しょうこくじ」と正しく読めて、どこにあるのか、どんな由緒のある寺院なのかをきちんと説明できる人は、京都でもそんなに多くは無いのではないでしょうか。かく言う私も、伊藤若冲の絵に魅せられ、相国寺との深い縁を知る中で、初めて相国寺に関心を持った一人です。今回、相国寺の境内にある「承天閣美術館」の「若冲と近世絵画」という展覧会を見るために訪れてみて驚いたのは、相国寺の壮大で整然とした品格ある美しさと、それにも関わらず、ほとんど観…