「お墓も戒名もいらない」と言う副題付き。著者の島田は宗教学者だが、いわゆる守旧的な考え方の人ではなく、時代の変化を冷静に分析して論評を加えるタイプのようで、前著『葬式は、いらない』(幻冬舎)出版後には仏教界等からかなりの批判を受け、僧侶も出席したシンポジウムの席で、つるし上げをくったこともあるようだ(P40)。これを読んで、この人は信用できる、と思ったね。 僕が政治屋や宗教屋を嫌うことは、本欄を継続して読んでいただいている人は既にお分かりのことと思う。その中で本書は、僕の宗教屋嫌いに、理論的な柱を与えてくれるような存在だ。と言うのは、宗教学者である著者は、僕のような、自分の経験のみによって判断…