亡き人の 別れやいとど 隔たらん 煙となりし 雲井ならでは 帰っていく源氏の君に 大臣夫人の宮がお返しになった歌🪷 〜亡き娘(葵上)との仲もますます遠くなってしまうでしょう 娘が煙となった都の空の下から あなたが居なくなってしまうのですから。 【第12帖 須磨(すま)】 「ぜひお話ししたく存じますこともあるのでございますが、 さてそれも申し上げられませんで 煩悶《はんもん》をしております心をお察しください。 ただ今よく眠っております人に今朝また逢ってまいることは、 私の旅の思い立ちを躊躇させることになるでございましょうから、 冷酷であるでしょうがこのまままいります」 と源氏は宮へ御挨拶《あいさ…