古今和歌集 付載 墨滅歌 巻第十 物名歌 1104 おきの井 みやこじま をののこまち おきのゐて身を 焼くよりもかなしきは 都島辺の 別れなりけり 古今和歌集(片桐洋一著、笠間文庫)の訳 真っ赤に燃えている火の上にいて身を焼くよりもせつないことは、都と島べの別れでありますよ。 意訳 題詞 456番歌の後に置かれた一首。 主題 復位を果たすこと叶わなかった陽成天皇をめぐって。「おきの井」(怒りのあまり顔を紅潮させるさま)と「みやこじま」(都を離れて島へ赴くこと)との掛詞に寄せて詠まれた歌でございます。 作者 小野小町 本文 陽成天皇は、再び皇位にお戻りになることかなわず、熾りの火のごとく、顔を…