和歌、連歌などの技巧の一つ。 すぐれた古歌や詩の語句、発想、趣向などを意識的に取り入れる表現技巧。 新古今集の時代に最も隆盛した。
転じて、現代でも絵画や音楽などの芸術作品で、オリジナル作品へのリスペクトから、意識的にそのモチーフを取り入れたものをこう呼ぶ。 オリジナルの存在と、それに対する敬意をあきらかにし、その上で独自の趣向をこらしている点が、単なるコピー(パクリ)とは異なる。本歌取
藤原定家は、『近代秀歌』・『詠歌大概』において、本歌取りの原則として
としていた。
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 黒田雪子 bokutachi.hatenadiary.jp 白き機体羞(やさ)しからずや重力に抗して空(くう)の一点に消ゆ 若山牧水の 白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ を連想させる一首です。こういう歌に出会うと言葉を失いますね。小島ゆかりの歌にも感じたのですが、ちょっと俳句っぽい静けさです。実際に俳句と短歌が癒合したような、 「霜夜かな古きノートを読み返す」死者の句ありき古きノートに 「耳鳴りや壁を這い居(お)る夜の蟻」芸術療法のぬるい午後 といった作品も引用されています。 …
絵をみて、よかった、と、思えるのは作家が表現しようとした、何かに自分のほうでも、共感だったり、共感までいかなくても、作家がみせてくれたものへいいなという、感覚があって、「見てよかった」となるのだと感じます パリ、オランジェリー美術館の、モネの部屋。その部屋の入り口に、モネの言葉として、この絵をみて、日ごろの疲れを忘れるような、そんな風な時間になればいいと、願ってるという、ことがあって、モネの絵を描くその、気持ちにいいなと思ったのです アーティストは、その自分の感じてることを、絵にするのですね。アーティストが感じてること、だから、絵になるといっていいと思います 今年はじめの、アーティゾン美術館で…
『短歌パラダイス』感想の注意書きおよび歌合一日目、二日目のルールはこちらです。 yuifall.hatenablog.com 最後の10番目は「並」です。「なみ」という読み方に限定されており、「へい」も「ならぶ」もNGとのことです。 時計仕掛けの絵本をよめばすずかけの並木を抜けてまた出会う導師(グル) (加藤治郎) 民族よ 寄するおもひは冷えながら並木に生るる花のしづけさ (岡井隆) 加藤の歌は、1995年の地下鉄サリン事件を受けての「導師」なんだろうなと思いますが、全体の意味を取るのが難しい…。 なんか、どうしても「導師」に象徴される何か、現代日本のようなものを言っているのかなって連想してし…
『仮面ライダーエグゼイド』感想・第8話 ◆第8話「男たちよ、Fly high!」◆ (監督:中澤祥次郎 脚本:高橋悠也) 「娘さんの事以外で、なにかストレスを感じてる事ありませんか?」 ゲーム病で前回から引き続き入院中の工場主・岡田に向けて、娘がストレスと言い放つのが開始早々クライマックスですが、永夢先生の本質は“治療対象”とみなした存在の「治療の為なら周囲のあらゆるものを利用する」患者絶対治すマシーンであって、「お人好し」とか「正直者」とか「患者と向き合おうとしている」とか、そういう生やさしい存在ではないような気がしてなりません。 岡田娘の話を聞いたポピ子が、気にしているのは工場経営の事では…
私は電子書籍というものが苦手です。なんど挑戦しても、紙の本のようには内容が頭に入ってこないので、もうすっかりあきらめてしまいました。ただし、マンガだけは基本的に電子書籍を買うことにしています。マンガはすぐに増殖して本棚の少なからぬ場所を占めてしまうからです。うちは極狭のアパートなので、これはまあしかたがありません。でも、この作品は書店で偶然見かけたときに、紙の単行本を買おうと思いました。かつて住んでいたことのある街の駅前が表紙に、そしてかつて通っていた大学の校舎が裏表紙に描かれていて、なんとなく「ご縁」のような予感を覚えたからでした。はたして、その予感は当たっていました。 ひらやすみこれはちょ…
・公開初日レイトショーで観て来ました。 ・なおウルトラマン自体にはそこまで思い入れのないにわかです。 ・1クールを総集編にしたような説明不足や駆け足はありましたが、こういう画を観たいんでしょいう映像をかなりの密度で見せてくれたのでトータルで言えば満足のいく作品でした。 ・シンゴジのタイトルがシンマンへと移行する本歌取り。そして前日譚を観たくなるような、禍特対が禍威獣を現代の技術だけで数匹倒したのをナレだけで流す冒頭でつかみはOK。 ・周囲と親和のない違和感ばりばりでありながら美しいウルトラマンの造形は良く、飛行ポーズや棒立ちの立ち方のようにヒトガタが取る姿勢とは思えない挙動もらしさ全開でした。…
『短歌パラダイス』感想の注意書きおよび歌合一日目、二日目のルールはこちらです。 yuifall.hatenablog.com 9番目は「風」です。風邪、風景、風貌、風靡などでもいい、と書いてあるので、おそらく「風」という漢字を使うというルールかと思われます。 マルクスはかつて万能 おおどかにユーラシア吹く風に運ばれ (道浦母都子) 溺れたひとという想定の人形のあたまを抱く熱風のなか (穂村弘) 道浦の歌は、意味を取るのはそれほど難しくないように思います。(今は廃れたが)マルクス主義はかつては万能と信じられた思想であった、ユーラシア大陸を風に運ばれて(タンポポの綿毛のように)おおらかに広がってい…
映画「アトランティスのこころ」 ”「きみには、目をしっかりと見ひらいていてもらいたい。それだけだ」 テッドはいった。 「なにをさがすの?」 「黄色いコートを着た下衆男たち(ロウ・メン)だよ」” 書籍「アトランティスのこころ」 スティーヴン・キング 著 白石郎 訳 映画"Hearts in Atlantis" 2001年 スコット・ヒックス 監督 最早、原作本にも映画にも関係ない話をしてもいいでしょうか? この作品を読んで、観ている間中、コザクラの頭では ほぼ常にデジャヴ(既視感。はじめての体験であるにも関わらず、 すでに知っていたような気分になること)が起こっていました。 どの辺に見覚えがある…
激昂する茂吉 ブナの展葉前線上昇中 ここは標高800㍍地点で5月8日の撮影です今年もブナが柔らかい緑の葉をつけました以前に書きましたが,このブナの展葉(葉が開くこと)は一日平均40㍍ずつ標高を上げていきます。(その記事は こちら )上の写真は標高800㍍付近ですから須川温泉付近(標高1114㍍)のブナが葉をつけるのは5月8日から数えて7~8日後の今度の日曜日15日辺りとなるでしょう。この日は5月の第3日曜日に当たり,栗駒山の山開きの日になります。つまり山開きの登山にブナの展葉前線も付いていくことになりますね。どうですか,ブナと一緒に栗駒山に登りませんか。ちょっとお洒落なコピーになりますね。さて…
ゴールデンウィーク、みなさまいかがお過ごしだったでしょうか。 大角設計室は、全国各地で仕事を得る機会に恵まれていますから 各地で土地土地の出会う風景を楽しんでいます。 今回の連休のような機会に、いつもと違う環境に身を置いて 改めて、今自分が創っている建築について考えたりもしています。 今回の連休に行きました 私達の地元岡山県となり。香川県の民家を紹介します。 砂糖しめ小屋です。 まんまるいとんがり帽子の屋根がついた かわいらしい民家です。 今から20年くらい前に初めて見た時は その独創的なカタチに、ちむどんどんしました。 久しぶりにこの場所を訪れて 確認したいことがありました。 実は、大角設計…
『仮面ライダーエグゼイド』感想・第5話 ◆第5話「全員集結、激突Crash!」◆ (監督:山口恭平 脚本:高橋悠也) 「ようこそ――LV3の世界へ!」 ドットズボンのパーマ頭・パラドが夜の街へ向けて高らかに吼え、なんらかの「テストプレイ」を宣言して間もなく、新しく完成した4つのライダーガシャットが盗難された、との急報がCRにもたらされる。 檀社長はガシャット回収の為にチンピラもとい花家と九条にも声をかけており、檀主観のシーンに切り替わってカメラを引くと、実は背後の机に腰掛けたガラの悪い二人が居ました、は面白かったです(笑) とにかくガシャットの欲しい花家、バグスターとは何かを調べたい九条、とそ…
無事にブーストされた気がしますが、まだちょっと本調子ではないので、最近読んで面白かった本を簡単にご紹介。 『日本のレトリック』(尼ヶ崎彬) 現代のキャッチコピーなども実例に引きつつ、主に和歌を題材に、日本の言語表現における様々なレトリック、「見立て」「もじり」「掛詞」などを、西洋修辞学における「隠喩・直喩」などとも絡めつつ詳解した一冊で、かなり面白かったです。 何が面白かったかというと、「レトリックとは何かを詳解する」事が、「それを用いた作品を分解していく」事に繋がる事で、レトリックを用いた作品の構造に触れ、それが言語化されるのが、個人的に読みでがありました。 例えば、「もじり」について…… …
2022年4月28日放送の『プレバト才能ランキング』は「俳句・バナナアート」の査定でした。
山田航 「現代歌人ファイル」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 杉森多佳子 bokutachi.hatenadiary.jp うら若き女性兵士が捕虜となる「虜」とは男がとらわれる文字 ふいに止む噴水の筒 銃口の闇を思えばまばたきできず こんな、戦争を詠った歌が心に残ります。 解説には、 「忍冬」にはイラク戦争などを扱った時事詠が多く含まれているのだが、社会に対して強く非難の声をあげているような印象はしごく薄い。自分が社会の中に埋没して消えていくことへの不安感が繰り返し表現されており、時事的な問題を扱うのもまたそんな不安感の一パターンのように感じられる。喪失感よ…
【シリーズ=教養の饗応】(4/25配信第22号) 今は、二十四節気の「穀雨(=こくう)」(4/20-5/4)です。 七十二候では、「霜止出苗(しもやんでなえいづる)」です。 昨日4月24日は、「友引(ともびき)」です。 本日4月25日は、「先負(せんぶ)」です。 明日4月26日は、「仏滅(ぶつめつ)」です。 また、4月の陰暦四月の異名は「卯月(うづき)」です。 英語では「April」フランス語では「avril(アヴリル)」です。 中国語では『四月』と書いて『スーユエ』と発音します。 韓国語では『사월』と書いて、『サウォル』と発音します。 第22号の配信です。 【今日の特集=トピックス】 鉄鋼流…