インターネット文化の中で生まれた「orz」は、単なる文字列ではなく、身体の形を模した象形的な表現として機能している。この記号を見た瞬間に、人は直感的に「土下座」「挫折」「敗北」といった意味を読み取ることができる。アルファベットや漢字のように、個々の記号が抽象的な音や意味を表すのではなく、全体の形状が直接的に意味を伝える点において、「orz」は象形文字の性質を持つ。 日本には「見立て」の文化がある。富士山に見えるものを「富士」とする「見立て富士」や、茶道における器の使い回しなど、あるものを別のものに見立てることで新たな意味を生み出す。この「見立て」の感性は、「orz」にも見られる。アルファベット…