最初の勅撰和歌集。八代集の第一。二〇巻。
延喜五年(九〇五)の醍醐天皇の命により、紀貫之(きのつらゆき)・紀友則(きのとものり)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・壬生忠岑(みぶのただみね)が撰し、同一三年ころ成立。六歌仙・撰者らの歌約一一〇〇首を収め、仮名序・真名序が添えられている。 なお、紀貫之が書き下ろした古今和歌集仮名序は、日本の文学と仮名の定位に莫大なる影響を与えた。
歌風は、雄健でおおらかな万葉集に比べ、優美・繊細で理知的。古今集。
源宗于朝臣のもとより きみひとり とはぬからにや わがやどの みちもつゆけく なりぬべらなり 君ひとり とはぬからにや わが宿の 道も露けく なりぬべらなり 源宗于朝臣から贈られた歌 あなたがひとり訪れてくださらないためでしょうか、私の家までの道も露に濡れてしまっているようです。 源宗于(みなもと の むねゆき)は第58代光孝天皇の孫にあたる人物。この歌に対する貫之からの返しが次の 803 に採録されています。このやりとりから、同時代の歌人として貫之と深い親交があったことがわかりますね。古今和歌集(巻第六「冬歌」 第315番)にも入集した百人一首第28番の歌で知られます。 やまざとは ふゆぞさ…
先日の都良香の歌の記事に、英訳を入れるのを忘れていた。 (´・ω・`) No. 466 Okibi (burning fire) oki (offing) hi (dry) Whence do tears come ? Will their source be known when they are dry? Miyakono Yoshika 「THE KOKIN WAKA-SHU 英訳古今和歌集」 本多平八郎訳 北星堂出版 【語釈】 whence…どこから(文語) 【意訳】 オキビ(燃える火) オキ(沖) ヒ(乾く) 涙はどこから流れてくるのか… それらが乾いてしまった時、その源を知ることが…
興風が歌の返し さくらには こころのみこそ くるしけれ あきてくらせる はるしなければ 桜には 心のみこそ 苦しけれ あきて暮らせる 春しなければ 興風の歌への返し 桜は、いつ散ってしまうかと気がかりでならない。十分満足するほど堪能できる春などないのであるから。 詞書には「興風が歌の返し」とありますが、もととなった興風の歌は貫之集には採録されていません。このブログのベースとしている『土佐日記 貫之集』(木村正中 校注)には、興風集採録の 見てかへる 心あかねば 桜花 咲けるあたりは 宿やからまし ではとの記載があり、ネット検索すると古今和歌集(巻第七「賀歌」 第351番)採録の いたづらに 過…
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古今和歌集 巻第一 春歌上 35 詠人不知 梅の花立ち寄る ばかりありしより 人のとがむる 香にぞしみける 日本古典文学全集(小学館)の訳 読人しらず 梅の木の傍らに、ちょっと立ち寄るだけのことをしたところが、たちまちその香にしみてしまって、誰かの移り香と思われ、人から咎められる始末となってしまった。 意訳 訳あって名は伏せさせていただきます。 夜更けに、ふと、あなた様のお庭先に咲く梅の花のもとに立ち寄りました。 いえ、まことに、たまたま通りがかった折に、ほんの少し足を留めただけなのでございます。 それにもかかわらず、かつて人々に不義の疑いをかけられた折の、あの花の薫りが、御衣(おんぞ)にふと…
延喜の御時、大和歌知れる人を召して、むかしいまの人の歌奉らせたまひしに、承香殿の東なるところにて歌撰らせたまふ。夜の更くるまでとかいふほどに、仁寿殿のもとの桜の木に時鳥の鳴くを聞こしめして、四月六日の夜なりければ、めづらしがらせたまひて、召し出でてよませたまふに、奉る ことなつは いかがなきけむ ほととぎす こよひばかりは あらじとぞきく こと夏は いかが鳴きけむ 時鳥 今宵ばかりは あらじとぞ聞く 延喜の御代、大和歌を良く知る人を召して、昔の人、今の人の歌を奉れとの命を発し、承香殿の東にある場所で歌をお選ばせになった。夜が更けるころとなって、仁寿殿のところにある桜の木で時鳥が鳴くのをお聞きに…
おき火 都良香 流れ出づる方だに見えぬ涙川おきひむ時やそこは知られむ (ながれいずる かただにみえぬ なみだがわ おきひむときや そこはしられむ) 古今和歌集 巻十 物名 466 【語釈】 涙川…涙が流れるのを川にたとえていう語。 ひる(干る)…乾く。干上がって水がなくなる。 おき…海や湖などの岸から遠く離れたところ。心の深部。 おきひ…赤くおこった炭火。まきなどが燃えて、炎が出なくなったあと、赤く炭火のようになったもの。 そこ…ものの一番下の部分。至り極まるところ。奥深く隠れたところ。心の底。 【普通の意訳】 どこから流れ出てくるのか、その方向も分からない涙川ですが、岸辺から離れた沖が干あが…
秋の立つ日、殿上のぬしたち、川逍遥しにいきて、歌よむつひでによめりし かはかぜの すずしくもあるか うちよする なみとともにや あきはたつらむ 川風の 涼しくもあるか うち寄する 波とともにや 秋は立つらむ 立秋の日、殿上人たちが河原を遊覧に行って歌を詠むのに供をした際に詠んだ歌 川風が涼しくなってきた。打ち寄せる波とともに、秋がやってきたのだろうか。 第五句「立つ」は「波が立つ」と「秋が立つ」の両義ですね。 この歌は、古今和歌集(巻第四「秋歌上」 第170番)に入集しています。 ランキング参加中言葉を紡ぐ人たち ランキング参加中はてな文芸部 新潮日本古典集成〈新装版〉 土佐日記 貫之集 (新…
むかし初瀬に詣づとて、やどりしたりし人の、久しうよらでいきたりければ、「たまさかになむ人の家はある」といひいだしたりしかば、そこなりし梅の花を折りて入るとて ひとはいさ こころもしらず ふるさとの はなぞむかしの かににほひける 人はいさ 心も知らず ふるさとの 花ぞ昔の 香ににほひける 昔、初瀬(=長谷寺)に詣でる際に泊まった家に、久しく寄らずにいたものを久しぶりに訪れたところ、「偶然、私の家がありましたね」と恨み言を言い出したので、そこにあった梅の花を折って詠んだ歌 人の心は、さて、わかりませんが、かつて訪れた場所の梅の花は、昔と同じように香っていますね。 ほとんど説明を要しないほど著名な…
竹生島に詣づるに、守山といふところにて しらつゆも しぐれもいたく もるやまは したばのこらず もみぢしにけり 白露も しぐれもいたく もる山は 下葉残らず 紅葉しにけり 竹生島に詣でた際、守山というところにて 白露も時雨もひどく漏る守山では、下葉もすっかり紅葉していることよ。 「竹生島(ちくぶしま)」は琵琶湖に浮かぶ島で、日本三大弁天に数えられる弁財天が祭られているとのこと。「第三句「もる」は白露や時雨が「漏る」と、「守(山)」の掛詞ですね。 この歌は、古今和歌集(巻第五「秋歌下」 第260番)に入集しており、そちらでは第五句が「いろづきにけり」とされています。 ランキング参加中はてな文芸部…