おき火 都良香 流れ出づる方だに見えぬ涙川おきひむ時やそこは知られむ (ながれいずる かただにみえぬ なみだがわ おきひむときや そこはしられむ) 古今和歌集 巻十 物名 466 【語釈】 涙川…涙が流れるのを川にたとえていう語。 ひる(干る)…乾く。干上がって水がなくなる。 おき…海や湖などの岸から遠く離れたところ。心の深部。 おきひ…赤くおこった炭火。まきなどが燃えて、炎が出なくなったあと、赤く炭火のようになったもの。 そこ…ものの一番下の部分。至り極まるところ。奥深く隠れたところ。心の底。 【普通の意訳】 どこから流れ出てくるのか、その方向も分からない涙川ですが、岸辺から離れた沖が干あが…