興風が歌の返し さくらには こころのみこそ くるしけれ あきてくらせる はるしなければ 桜には 心のみこそ 苦しけれ あきて暮らせる 春しなければ 興風の歌への返し 桜は、いつ散ってしまうかと気がかりでならない。十分満足するほど堪能できる春などないのであるから。 詞書には「興風が歌の返し」とありますが、もととなった興風の歌は貫之集には採録されていません。このブログのベースとしている『土佐日記 貫之集』(木村正中 校注)には、興風集採録の 見てかへる 心あかねば 桜花 咲けるあたりは 宿やからまし ではとの記載があり、ネット検索すると古今和歌集(巻第七「賀歌」 第351番)採録の いたづらに 過…