🪻【源氏物語395 第13帖 明石57】願いが成就したもの物思いをする明石入道。源氏は紫の上のことを思って後悔をする源氏。 〜入道からいえば事が成就しているのであるが、 その境地で新しく物思いをしているのが憐《あわ》れであった。 二条の院の女王《にょおう》にこの噂が伝わっては、 恋愛問題では嫉妬する価値のあることでないとわかっていても、 秘密にしておく自分の態度を恨めしがられては苦しくもあり、 気恥ずかしくもあると思っていた源氏が 紫夫人をどれほど愛しているかは これだけでも想像することができるのである。 女王も源氏を愛することの深いだけ、 他の愛人との関係に不快な色を見せたそのおりおりのこと…