🪷【源氏物語238 第十帖 賢木50】中宮の御八講は崇厳な仏事出会った。初めの日は父帝、次の日は母后 三日目は院の御菩提のためであって、数多くの高官が出席した。 〜十二月の十幾日に中宮の御八講があった。 非常に崇厳《すうごん》な仏事であった。 五日の間どの日にも仏前へ新たにささげられる経は、 宝玉の軸に羅《うすもの》の絹の表紙の物ばかりで、 外包みの装飾などもきわめて精巧なものであった。 日常の品にも美しい好みをお忘れにならない方であるから、 まして御仏《みほとけ》のためにあそばされたことが 人目を驚かすほどの物であったことはもっともなことである。 仏像の装飾、 花机《はなづくえ》の被《おお》…