わらしべ長者とは、ある一人の貧乏人が最初に持っていたワラを物々交換を経ていくにつれて、最後には大金持ちになる話である。「アブが結び付けられた藁しべ」が「蜜柑」にかわり、その蜜柑でのどを潤したい人に「反物」と取り換えてもらい、今度は「馬」との交換に持ちつけ、その馬に乗って辿りついた「屋敷」になんやかんやあって定住する...という、なんとも現実離れした調子のよすぎる話だ。現実はそんな夢ばかり見ていられるものでもないだろう。実際には、こんな感じの物々交換の展開になるのではないでしょうか? タイトルは『わらしべ虚者』。 ー---ー ある男が、「藁しべ」を持ってあてもなく道を歩いていた。藁しべををぶんぶ…