オタール・イオセリアーニ(Otar Iosseliani)監督による1992年作『蝶採り(La Chasse aux papillons)』について。 歴史と亡霊、レンブラントの光 フランスの古城、所有者といとこを中心にマハラジャ、べん髪のベジタリアン集団、飲んだくれの神父など様々な民族を含んだコミュニティが築かれており、親密なようで嫌いあってもいるような関係性、独自の奇妙で自由な暮らしぶりを成立させている。所有者の一族は女性ばかりで、それは男性達が戦争によって亡くなったからだということがわかる。その古城には一族の歴史が蓄積されており、亡くなった男達が軍服を着て亡霊として暮らしている。 古城を…