アリの巣が好きだ。子どもの頃は、アリとか蜜蜂といった社会性昆虫の暮らしに凄く興味があった。今も昔も、私は秩序立ったものに対して強い憧れがある。 アリの巣は凄い。奴らはちっぽけな虫の中でも最小クラスのちっぽけな虫のくせに、土の中にいくつもの部屋を作ってる。食べ物を貯蔵する部屋、卵の部屋、幼虫の部屋、女王アリの部屋、といった具合である。下等動物のくせに生意気である。脚の付け根で何かを感じるだけで、脳味噌もないくせに。 私はそういう無機質な秩序に惹かれてしまうんです。考えることが好きなはずなのに、考えることに疲れてるのかもしれません。たまにロボットになりたいことがあります。一切の感情を排したロボット…