2002年12月、編集工房ノアから刊行された北野一子(1936~)の第2詩集。装画装幀は林哲夫。著者は東京深川生れ、刊行時の著者の住所は京都市西京区。 つゆの頃、浅草観音様裏手の草津亭さんで女学校の同期会があった。友人達は歩いてきたり、東京近辺の地下鉄や電車を利用してが多かったが、早朝京都から新幹線に乗って、参加したのは私一人だったと思う。 ふと、あの戦災と家族離散がなかったら、私もこの隅田川近辺の下町で暮らしていた筈だったと思った。 ―葉落帰根―母から生まれ亡母の許へ帰ってゆく、そんな思いで拙い詩を綴って参りました。生き延びて、この様に長く生かされて来たことをただ感謝するばかりです。 好きな…