泉房穂市長の大学時代のラグビー仲間であり、かつ、司法修習生同期の政治家である橋下轍氏の政治手法や政治理念をめぐっては、政治学や社会学の専門家、あるいはジャーナリストや評論家によって、これまでに膨大な数の論文や論評が発表されてきました。 橋下徹氏に関する数多くの論考の中で、多数を占めるのが、橋下氏は大衆ウケする政策を打ち出すポピュリストであり、ナチスのファシズムを彷彿させる強引で危うい大衆煽動家だとするものです。前回の記事で取り上げた、小森陽一氏による論文は、その典型例の一つと言えるでしょう。橋下氏について論じた諸文献のうち、おそらく7~8割程度は、このようなある種の金太郎飴的なネガティブな見方…