自転車を降りて手で押しながら歩いている。足元の錆びついたレールが目に留まる。 細いレールだ。間違えなくそれは一日数本しか走らない支線のレールだったろうし、それが使われなくなり半世紀は近いのではないだろうか。 枕木は割れ、レールは赤く錆びている。レールのジョイントとレールを止めるボルトとナットは赤く錆びつき、レールを固定する犬釘も又年季が入ったものだった。レールを敷き詰めていたはずのバラストも多くが失われ、そこに朽ちた落ち葉が寒そうだ。 廃線跡を巡るには、徒歩か自転車でのゆっくりポタリングが良いだろう。その速度なら発見があり、往時の空気感を味わえる。レールが残っている箇所は少なく多くは緑道として…