*Amazonより 【あらすじ】 足利12代将軍義晴は、近江国を流浪していたが京の南禅寺に戻り、一時の平穏な暮らしの中にいた。そこに長男菊幢丸に続いて次男義秋が生まれ、1歳になると足利家に伝わる将来を占う儀式が行なわれた。筆具と紙、銅銭、刀剣、そして墨染の衣と、それぞれ官吏、商人、武人、僧侶を象徴しているものを並べ、子供がどこに歩むか。足利将軍家では嫡男以外は僧侶となる決まりがあるため墨染の衣へと導かれたが、義秋は素通りし、刀剣や銅銭も見向きもせずに、筆と紙を捕まえる。 しかし義秋は予定通り、生母の縁から5歳で藤原氏の氏寺である奈良興福寺へ入門し、覚慶として水汲みや掃除などの作務を日課とした。…