行 為的記憶は主にSPTs(subject performed tasks:被験者実演課題)によって研究されている.SPTsとは簡単な行為文の提示,被験者によるその行為内容の実演から構成される小課題である.SPTs条件において被験者は,行為文を実演した上で,その後再認や再生の記憶テストを受けることになる. 上記SPTsと対照的に考えられるのはVTs(verbal tasks:言語的課題)であり,この課題では実際に行為文に示された行動を行うのではなく,その内容を言語的情報を媒体に記憶することになる. 通 常SPTsとVTsのいずれにおいてもテスト時の行為の実演は行われず,記銘過程での実演のみであ…