設問1 1 AはCに対し、①債務不履行に基づく損害賠償(415条1項本文)を請求することが考えられる。 たしかに、CはAと直接の契約関係にないから、「債務者」にあたらないとも思える。しかし、雇用契約等の法律関係に基づき、特別な社会的接触関係に入った当事者は、当該法律関係の付随義務として、信義則上(1条2項)相手方の生命健康等を危険から保護するよう配慮する義務(安全配慮義務)を負う。具体的には、①労働に関連する物的環境を整備する義務と、②労働者の人的配備を適切に行う義務を内容とする。 (1)本件で、BはCの下請負人であり、AはBに雇用された従業員である。また、Cは、A及びBに、建物解体用の什器、…