先日、花火大会があった。 一万発といっていたが、概算五千あるかどうかといったところだろう。案外、少なそうだった。意外とすぐ終わった。三十五分ぐらいで終わってしまって少々物悲しさが残るだけで、ビールを用意して、呑気にやっていたのに、すぐ終わってしまったものだから興ざめだった。 だが、とても花火のそれは、実に綺麗で、美しい。夜の中でドンと響く音が波の如く押し寄せ、巨大な花火を浮かべるその光は波より遅くなっていた。でも、そんな遅れてくる花火も、なんとも綺麗だった。 一年に一回しかない花火大会。「今年ももう半分か、こんなことがあったな」などと考えるのが普通なのだろうが、特にこれといって、無いのだ。何も…