写真家『十文字美信』が@「大乗寺」で撮り下ろした写真の数々。 副題では「大乗寺十三室」となっている。 同所は『円山応挙』と、その一門が描いた襖絵で有名。それ以外にも『長沢芦雪』の〔猿〕なども。 圧巻なのは、〔松に孔雀図〕を原寸以上に引き伸ばしディスプレイした一角。 背後からの灯りと、近接して観ることで、通常では味わえない細部までの鑑賞が可能に。 墨の濃淡や筆さばきが眼前に迫って来る。 もう一つは、複数の写真を組み合わせることで、あたかも自分が「客殿」の中に入り込んだように錯覚をさせられる一角。 どうやら自然光や蠟燭の朧げな明かりだけで撮られているようで、陰影のある画面がそういった印象をより強く…