ミステリ作家、小説家。
1933年4月22日生まれ。日本大学芸術学部中退。放送ライターを経て、1970年「ニジンスキーの手」により小説現代新人賞受賞。
1974年、長篇「オイディプスの刃」で第一回角川小説賞を受賞。1983年、「海峡」「八雲が殺した」で泉鏡花文学賞を受賞。
芸能や伝統工芸の世界を描くことが多く、耽美的な作風で知られる。
2012年6月8日、心不全により死去。
第27話 小説家 1974年5月19日 日曜 4月22日に誕生日を迎え、25歳の中学2年生になった僕は、唐戸桟橋のある街までバスに揺られていた。唐戸には市庁舎があるから、人の往来が多くバス路線の分岐点になっている。桟橋からは、対岸の門司港まで連絡船が頻繁に行き交う。 バスの車窓から見る、みずみずしい若葉は、道沿いの街路樹をつややかに魅せる。 遠くの山々では、たくさんの草木が芽吹く。青空に向かって萌え立つ様子は、初夏ならではの風景で、何か良いことが起こる予感さえ抱かせてくれる。 唐戸停留所で降りると、バスを乗り換えることになる。その前に、停留所そばにある“旧英国領事館”を見ておきたかった。それは…
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