人気のない路地に確かな約束(イメージ) 序 缶に宿るもの 美術館のガラスケースの中に、何億円という値札を隠し持って並んでいる名画。あるいはガイドブックが赤い星印をつけ、「絶景」と太字で保証してくれる歴史的な観光地。私たちは日常的に、「美」や「感動」というものが特定のオブジェクト(物体)や場所に、あらかじめ固定された属性として埋め込まれていると信じ込まされている。値段が高いから美しい。歴史があるから尊い。有名だから感動していいはずだ、と。 しかし、私たちは本当は知っているはずだ。 世界的に高名なキャンバスの前に立ち、音声ガイドの解説を耳に流し込み、歴史的価値を頭では「理解」しているにもかかわらず…