またしてもグランドスラムの決勝で、小田凱人とアルフィー・ヒュウェットが激突した。パリパラリンピックの決勝での熱い闘いが記憶に新しいせいか、ウィンブルドンのナンバーワンコートには多くの観客が詰めかけていた。 ファーストセットはブレーク合戦となったが、この日のアルフィーのモチベーションはすさまじかった。1ポイントごとに全力を投じていることが、見ていても伝わってくるほどで、その勢いに小田は押されていたように見えた。アルフィーのショットは確かに鋭く強いのだが、表情や仕草に籠められた勝利への執念によって、小田はボールを打つタイミングを見誤っていたのではないか。焦ったように早めにラケットを振り始めてしまい…