又新築中の大きな家はこれ又強制的に軍で借り入れ寮にする等、或いは営業を目的に新築する者も多くなり十六年末には軍指定の寮は実に七十軒に及んだ。 之等の寮は造兵廠直属で青年工員寮と一般工員寮との二つに分かれている。他に造兵廠直営の技術養成所生徒宿舎、徴用工員宿舎の二つがある。 先の青年工員寮は大抵五十名以上を収容できて建物も寄宿舎式に建てられていて人員の監督に便利な様になっているが家が選定されており此処へ入る工員は統べて徴兵検査以前の者だけで造兵廠指名の正、副二名の寮長が寮生一切の監督をしている。 其の他に寮では寮の主人又は管理人がいて食事万端の世話をする様になっていた。 一般工員の寮は二十才以上…