ほのめかす 風につけても 下荻《したをぎ》の 半《なかば》は 霜にむすぼほれつ 軒端荻に by 源氏の君 〜それとなく分かるような風(手紙)をみるにつけても ほのめかしてくださることを嬉しいと思いつつも、 霜が降りた荻の下葉のように私の心は半分しおれています。 【第4帖夕顔】 もう一人の女は蔵人《くろうど》少将と結婚したという噂を 源氏は聞いた。 それはおかしい、処女でない新妻を少将はどう思うだろうと、 その夫に同情もされたし、 またあの空蝉の継娘《ままむすめ》はどんな気持ちでいるのだろうと、 それも知りたさに小君を使いにして手紙を送った。 死ぬほど煩悶《はんもん》している私の心はわかりますか…