『背教者ユリアヌス(二)』辻邦生中公文庫 背教者ユリアヌス(二) (中公文庫 つ 3-26) 作者:辻 邦生 中央公論新社 Amazon 二巻に入ってますますページをめくる手が止まらない。 成長したユリアヌス。兄ガルスの運命はユリアヌスの行く末も巻き込んでいく。ピンチ、恋愛、罠。ガリア赴任までを二巻では描いている。 「背教者」というのは、キリスト教を主軸としている国において、ユリアヌスは昔からのギリシャの神々を信じているのだ。その信仰とキリスト者の信仰を冷静な目で見ていく。この巻ではアテナイの哲学者の妻がキリスト教に惹かれている様を対話を通して描き出しているのだが、そこがなんとも言えない人間の…