昭和の東京を知りたい方へ 昨日、旅の本を紹介したら、この本を思い出しました。 久しぶりに読んでみると楽しかったので、ご紹介します。 「遊覧日記」武田 百合子 著、武田 花 写真 著者は作家である武田泰淳の夫人で、花は娘さんです。 この本では、夫が他界した後に、彼女が訪れた場所のことが短編形式で書かれています。 【おすすめポイント1】著者の観察眼がすごい 全体を通して感じるのは、彼女のみずみずしい観察眼です。 ちょっと引用してみると、 「重なり合った暗緑色の葉と湿った土の上に、日除けのよしず屋根から縞目の日光が洩れている。今朝がた開いたばかりの鉢の形の花。昨日開いて今日はさらに開き切った皿の形の…