この記事では、「古典的な位置と運動量の測定」を量子力学でモデル化すると、シュレディンガー方程式から古典力学の方程式(リウヴィル方程式)が導出できるという話を書きます。 導出過程で量子論形式で扱った古典力学が出てくるので、先にこちらの記事に目を通されてから読むことをお勧めします。 この記事では以下のように用語を使用します。 状態:あらゆる測定に対する測定値の確率分布の総体 古典系:対象とする全ての物理量が同時に測定可能な系 古典力学 :位置と運動量を基本変数にとった古典系で、古典リウヴィル方程式に従って時間発展する確率論 量子論:ヒルベルト空間とその上の演算子を用いた確率論 量子力学:正準交換関…