量子計算機におけるもっとも単純なノイズである自然放射の理論上における扱い方を解説します。自然放射はあらゆる量子系に存在する光子を放出して状態が遷移する過程です。これはマスター方程式で解ける状態の中でもっとも簡単です。それには下式のようなマスター方程式を解きます [1]。 ここで、 、 はそれぞれデコヒーレンス係数とボース・アインシュタイン統計における光子の個数です。ハミルトニアンは次のようになります。 これを解いて、以下のようになります。 対角項は、 と出来ます。連立微分方程式を解くのと同じ要領で以下のようになります。 式(4),(5)から係数はこのようになります。 こうして、密度演算子の各要…