今から30年前、私は20代前半の鍼灸学校に通う学生でした。 当時の私は、鍼灸業界に対して強い疑問と違和感を抱いていたのを、今でも鮮明に覚えています。 当時は今と違って、鍼灸師や柔道整復師の資格を取れる学校は非常に限られており、いわば狭き門。 にもかかわらず、卒業後に働く多くの場所では、「肩もんで、腰も強めで」といった患者さんの要望に応じて、ただマッサージを提供する日々。 保険を使ってマッサージをする「マッサージ屋さん」としての整骨院があふれており、治療家を目指していた私には大きなギャップでした。 「こんなの、治療じゃない」「俺はモミ屋になりたくて鍼灸師を目指したんじゃない」 そんな思いを抱きな…