ネタバレしますのでご注意を。 成都にて。孔明をはじめとする重臣たちはそろって漢中王玄徳にご決心をうながそうと拝謁した。 「今こそ皇帝の御位につき万民を安んずべき時と考えまする」 笑顔だった漢中王の顔が険しくなり大声で話を遮った。 「しかし玉璽が漢中王の手元に届いたのは天の啓示。今こそ漢朝の宗親たる我が君が進んで漢の正統を継ぐべきであるとかんがえまする」孔明がどんなにかき口説いても玄徳は「不忠不義の人と呼ばれてしまう」「その話は二度といたすな」の繰り返しであった。 孔明は退出するしかなかった。 その日以後孔明は病と称して出仕しなくなった。玄徳は心配でたまらず馬車の用意をさせた。 寝床にいた孔明だ…