日本では、子供たちに、 「がんばればできる」「できないのは努力が足りないから」 等と言う。 しかし、「やってもやってもできない子」の場合、どうしたらいいのか、という課題は見過ごされてきたようだ。 だいぶ前、「ケーキの切れない非行少年たち」という本を読んだ。医療少年院に入っている子たちを検査すると、IQレベルが70から85未満という、一見普通に見えるけど、実は軽度の知的障害を持つ子たちが非常に多いことを、児童精神科医である著者が指摘している。この、IQ70から85未満は「境界知能」と呼ばれる。 今回、同じ著者による「境界知能の子どもたち」も読んだ。内容的には、「ケーキ」のころからの主張を、主に知…