「ひそかに、同所側溝内に動画撮影状態にしたスマートフォンを設置し、同スマートフォンで同側溝上を通行中の氏名不詳者12名が身に着けている下着の性的な部位を覆っている部分を撮影した」という性的姿態撮影罪は包括一罪(神戸地裁r6.1.26) 性的姿態撮影罪の保護法益は不同意わいせつ罪と接近した個人的法益だと説明されていますが、足下からの下着盗撮はわいせつ行為ではないので個人的法益が薄まって12人でも包括一罪になりますかね。 法務省逐条説明 第2章前説 【説明】 第2条から第6条までの各罪は、人の意思に反して性的な姿態を撮影したり、これにより生成された性的な姿態の記録を提供するといった行為がなされれば…
「送信させ」をわいせつ行為とした上で準強制わいせつ罪と児童ポルノ製造罪を観念的競合としたもの(大津地裁r5.10.26 確定) 判示第1は、当初起訴状は、児童ポルノ製造罪のみで、訴因変更で、準強制わいせつ罪が追加されたものです。 公訴事実の同一性がないという高裁判例が山ほどあるので、控訴して訴因変更の違法を主張すべきでした。 さらには、「送信させた」はわいせつ行為ではないという高裁判例も幾つかあるので、そう主張すべきでした。 大津地検で当初起訴状6/5と訴因変更請求書6/26を閲覧して確認しました。 強制わいせつ罪と製造罪は多くの高裁判例で併合罪とされているので、訴因変更許可は違法です。自然確…
裸体を撮影送信させる行為について、高裁レベルでは強要罪説(岡山支部H22.12.15、東京高裁H28.2.19)から、強制わいせつ罪説(大阪高裁R03.7.14)に移りつつあるが、最高裁の判断がない状況。 警察に聞かれましたが、大阪高裁は実刑になっていますが、送信させる型強制わいせつ(リモートわいせつ型)は、量刑が軽めなので、1審と控訴審の未決が多くなっているのと、上告未決が何日もらえるかわからないのとで、上告できていません。 文献番号】 25470943 【文献種別】 判決/広島高等裁判所岡山支部(控訴審) 【裁判年月日】 平成22年12月15日 【事件番号】 平成22年(う)第100号 【…
被告人がAに写真を撮影させて送信させた行為は、一連一体の行為として、性欲を刺激、興奮又は満足させ、かつ、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもので、Aの性的自由を侵害する行為であるといえる。津地裁r5.8.18 東京高裁とか岡山支部によれば「送信させ」はわいせつ行為ではありません。 津地方裁判所令和05年08月18日準強制わいせつ、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反被告事件送信型津地判令和5年8月18日D1-Law.com判例体系〔28313043〕 判決文 ■28313043 津地方裁判所令和05年08月18日 検察官 瀧沢万由花…
監護者性交未遂の場面をひそかに製造罪で起訴したが、姿態をとらせて製造罪が認定された事例(名古屋地裁r5.6.23) 性交しながら撮影するのは「性交する姿態とらせて」と評価する高裁判例が幾つかあります・ 判例番号】 L07850705 監護者性交等、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反、監護者性交等未遂、準強制性交等被告事件 【事件番号】 名古屋地方裁判所判決/令和3年(わ)第1298号、令和3年(わ)第1680号、令和3年(わ)第1853号、令和3年(わ)第2151号 【判決日付】 令和5年6月23日 【掲載誌】 LLI/DB 判例秘書登載 第3 【…
d1-law 横浜地裁 H28.7.20 懲役26年 ベビーシッター (量刑の事情) 量刑上最も重い犯罪である殺人罪についてみると,その犯行態様は,体重が100kgを超える被告人が,2歳児であるIの鼻口部を少なくとも3分から5分間にわたって手で塞ぎ続けるなどというものであって,両者の体格差は歴然としており,現場が逃げ場のない密室内であったことにも照らして,抵抗は不可能に近く,凶器を使用していなくても,生命に対する危険性の高いものであったといえる。しかも,かなり強い力で数分間にわたって塞ぎ続けるという態様から,突発的に生じた犯行であるとはいえ,強固な殺意に基づくものと認められる。以上によれば,本…
判例DBから令和の事件の量刑理由が抽出しました。 教員・保育士・シッターによるわいせつ事案の量刑理由をみても、前科の指摘はありません。 日本版DBSでは初犯のわいせつ事件に対応できないことを示そうと思ったんですが、件数が多すぎて集計できません。 横浜地裁 H28.7.20 懲役26年 ベビーシッター (量刑の事情) 量刑上最も重い犯罪である殺人罪についてみると,その犯行態様は,体重が100kgを超える被告人が,2歳児であるIの鼻口部を少なくとも3分から5分間にわたって手で塞ぎ続けるなどというものであって,両者の体格差は歴然としており,現場が逃げ場のない密室内であったことにも照らして,抵抗は不可…