良知力 らち ちから さんという早逝した社会思想史家の著書『向こう岸からの世界史』(未来社 1978年10月刊)を読みました。1848年のヨーロッパ、特にオーストリア・ウィーンの革命をめぐる話なのですが、学生の頃に一度読んで、よくわからず、就職してから、もう一度読んでも、やはり難しく、今度で三回目です。別の良知さんのエッセイ集も読んだことがあって、こちらはさくさくと読めるのですが、『向こう岸』の方は、立ち止まることがたびたびで、何回読んでも難解です(駄洒落でなく!)。マルクスを含むヘーゲル左派の周辺にあった人々や社会主義者のことがわからないところが壁になっている感じもしますが、表現や構成にけっ…