歌舞伎座第三部を観劇。大入り満員迄は行っていなかったが、かなりの入り。大和屋人気もあるだろうし、三部は時間的に昼間よりも来易いと云う面もあるだろう。しかし本当にお客が戻って来た様に感じる。そして出し物も大和屋と愛之助が組んだ「吉田屋」とくれば、盛り上がる事は必至。そして期待にたがわず素晴らしい舞台となった。 幕開きは『髑髏尼』。筆者は初めて観る狂言。それもそのはず、六十一年ぶり四度目の上演と云うから、殆どの見物衆にとって初めて観る芝居だったろう。しかし大和屋はその六十一年前の歌右衛門・先代勘三郎が組んだ芝居をはっきり覚えていると云うから恐ろしい。作は何と吉井勇。筆者は寡聞にして吉井勇がこう云う…