―その979― ●歌は、「ことさらに衣は摺らじをみなへし佐紀野の萩ににほいて居らむ」である。 一宮市萩原町 高松分園(51)万葉歌碑<作者未詳> ●歌碑は、一宮市萩原町 高松分園(51)にある。 ●歌をみていこう。 ◆事更尓 衣者不揩 佳人部為 咲野之芽子尓 丹穂日而将居 (作者未詳 巻十 二一〇七) ≪書き下し≫ことさらに衣(ころも)は摺(す)らじをみなへし佐紀野の萩ににほひて居らむ (訳)わざわざこの着物は摺染めにはすまい。一面に咲き誇るこの佐紀野の萩に染まっていよう。(「万葉集 二」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より) (注)ことさらなり【殊更なり】形容動詞①意図的だ。②格別だ。(we…