本日は、海軍と陸軍の交わした電文の一例を取り上げて、それぞれの文章表現の違いを比較してみようと思います。 高松宮日記昭和17年4月9日の記述に、南方作戦が一段落をし海軍の第二艦隊がその任を離れ南西方面艦隊に引き継ぐことになり、ともに南方作戦に従事した陸軍の南方軍に対し、離任の挨拶と協同作戦の御礼の電報を発し、対する陸軍南方軍もそれに返電した電文が記述されている。この2つの電文を見ると、海軍と陸軍の違いの一端が垣間見ることができる。 〇第二艦隊長官(八ー一三五〇)宛南方軍総司令官 四月十日附、海軍南方作戦部隊ノ指揮ヲ南西方面艦隊司令長官ニ引継グコトトナ レリ。作戦開始以来貴軍ノ熱誠ナル御協力ニ依…