第八話花宵簪(前編) 鬼を斬る際に必ず名を尋ねる甚夜。それは相手を覚え続ける為のきっかけ作りのようにも、相手の本質を把握する為かのようにも思えるただ、夜鷹が甚夜の表情から彼の心の本質を捉えた点を見るに後者の意味合いが強いと見るべきなのかな?甚夜は鬼と成った身でありながら鬼退治をする。それもいつの日か妹を成敗する為に。己が哀しい身の上だからこそ、哀しく猛り狂う鬼が無くした本質を捉えてやろうとしてしまうのかもしれない 夜桜の鬼とて本質が垣間見える鬼だったような遊女である為に受けた宿命から心まで壊してしまった。成れの果てとしか思えないその姿を夜鷹が気にしたのは、彼女とてあの鬼と似た在り方で生きている…