フリーライター。
1964年東京都出身。東京大学文学部社会学科卒業。
さまざまな自決方法を紹介した「完全自殺マニュアル」は、社会の生きづらさを告発しベストセラーとなった。
“自殺しないで今の世の中を生き抜くマニュアル”としての「人格改造マニュアル」も執筆する。
「檻のなかのダンス」「レイヴ力」では、身体で感じる快感や自然界とのつながりを強調。
その後は、生きづらさの原因としての経済を批判しながら自然農を実践中。
完全自殺マニュアル
ぼくたちの「完全自殺マニュアル」
無気力製造工場
人格改造マニュアル
檻のなかのダンス
レイヴ力―rave of life (単行本)
脱資本主義宣言―グローバル経済が蝕む暮らし
先週土曜の1/18、千葉県市川市の甲羅文庫に鶴見済さんが来て著書に関する雑談をするというので行ってきた。www.instagram.com雑談と言っても、あてもなくダラダラ話すということではなく、2017年に刊行された『0円で生きる』という鶴見さんの著書を中心に、それに関連して鶴見さんがどんな活動をしていて、どんなことを考えているのかという話を聞いたり、参加者から質問を受けたり、その参加者各々の考えを述べたり、といったことをする読書会のようなものだった。0円で生きる: 小さくても豊かな経済の作り方作者:鶴見 済新潮社Amazon事前に近著をいくつか読んでいたので、鶴見さんの話はどれも腑に落ちる…
それほど遠くない昔、我々は効果的にシェアを行っていた。小津安二郎監督の1953年の映画『東京物語』のなかにこんなシーンがある。 田舎から出てきた老夫婦が、一人暮らしの娘のアパートの部屋にやってきた。そこで娘は隣の部屋の主婦から酒を借りに行く。一升瓶を借りて戻った後、さらに徳利とおちょこも借りに行くと、ついでにピーマンの煮物も貰って戻ってくるのだ。(鶴見済『0円で生きる』新潮社、2017) おはようございます。前回のブログで紹介した小川糸さんの『針と糸』はベルリンでの生活を舞台にしたエッセイ集で、そのなかにこんなシーンがあります。 大きな荷物を抱えた配達人が、小川さんの部屋にやってきた。その荷物…
人間関係を半分降りる ――気楽なつながりの作り方 作者:鶴見済 筑摩書房 Amazon 『人間関係を半分降りる-気楽なつながりの作り方-』鶴見済著を読む。 人は一人では生きられないといわれる。確かに、そう思う。でも、隣近所や友人、親兄弟、会社の上司・同僚との関わりは、煩わしいことがある。そんなときは、ロビンソン・クルーソー的な生き方に憧れ、南海の無人島で一人で暮らしていることをイメージする。そう考える自分自身へ、いつしかダメだししている。でも、なあ。 なんか生きづらさを覚えているあなた、生き方ベタなあなたへ著者はこれまでの人生で得た「人間関係の作り方」を述べている。『完全自殺マニュアル』で知ら…
檻のなかのダンス 作者:鶴見 済 太田出版 Amazon 当たり前を疑う、、と言っても 日々の生活にどっぷりつかっていると 一般的とか常識とか そんな社会やシステムに都合のよい 固定観念にがんじがらめにされ 何が当たり前なのか、疑うことも忘れてしまう。 この本を読んで、思った。 本って、やっぱりすごい。 固くなった自分の頭を ぐらぐらとゆすってくれるには やっぱり本が一番だと思った。 なぜなら、テレビや新聞の情報は、当たり障りのないものだし ネット情報が膨大とはいえ、そこから自分が掬い取れる情報は 自分好みのものになりがちで なかなか自分の頭に強烈なパンチをお見舞いしてはくれない。 本著は、1…
物書きを始めた90年代に出したすべての本の底流に、この感覚を織り込んだつもりだ。 例えば『完全自殺マニュアル』という本で言った、「いざという最悪の時には死ぬことだってできるのだと思えば、楽に生きていける」。それはこのあきらめの力を生かすひとつのやり方であり、自分にとっても心の支えだった。 もう人生も半分以上がすぎた今、「自分が一生をかけて得た一番大きなものは、この感覚なのかな」という気すらしている。(鶴見済『人間関係を半分降りる』筑摩書房、2022) おはようございます。先週の土曜日と日曜日に場づくりのプロが主催するサードプレイス的なラボに足を運んできました。サードプレイスというのは「家庭でも…
過去所持していた本の思い出を書くのは「読書レビュー」として如何なものかと思ったけれども、未だに心に刻まれているので簡単に書いてみる。苦手な方はブラウザバックを推奨する。 確か13~4年前だっただろうか、地元のSCの本屋で鶴見済氏の「完全自殺マニュアル」を購入した。購入した時は店員さんが厳重に梱包してくれたのが記憶に残っているな 。 完全自殺マニュアルは1993年に鶴見済氏が書いてベストセラーとなった。それと同時に内容が過激であるとされて問題作としても知られた作品だ。 内容としては生き辛さからの脱却、自殺方法や事例などが羅列されている。 出版されたのが1993年で、当時と比べると時代が変化してい…
「人生で最も影響を受けた本は何か。」 そう聞かれれば僕は何の迷いもなくこの本の名前をあげる。もっとも、就活で同じ質問を受けた場合には絶対他の本を選ぶが。「青少年のための覚醒剤入門」。こんなチャプターが含まれる本をあげたら問答無用で落とされるのはわかりきっているからだ。 僕が初めてこの本を手にしたのは大学一回生、18歳の時だ。高校時代、友達がほとんどおらず、本ばかり読んでいた僕は、大学に入っても一人も友達ができなかった。暇つぶしのために毎日図書館に通って本を貪るように読んでいた僕は、1980~1990年代のサブカルチャーに興味を持つようになった。 そんな中で、90年代サブカルを代表する本「完全自…