シネマヴェーラ渋谷の《巨星・橋本忍》で映画『暁の挑戦』(1971年、監督:舛田利雄)を鑑賞する。大正末期の「鶴見騒擾事件(つるみそうじょうじけん)」を題材にした問題作。長らくフィルムが行方不明だったが、2014年の「川崎市制90周年記念事業」として修復された作品。今回の特集の目玉。なぜこれまで作品が封印されていたのか謎だが、一度は見る価値があるだろう。中村錦之助、若林豪、渡哲也、倍賞美津子、仲代達矢といった豪華出演陣を揃えているのはスゴい。このなかでは渡哲也のヒールぶりが際立っている。掛け値なしにカッコいい。川崎市の「大工業都市建設計画」における工事の利権を独占しようとする渡哲也が率いる地元ヤ…