(1)西村寿行の小説。犬と人間との愛を謳いあげた、バイオレンス・ロマン。
森林警備官・北守と愛犬ゴロは、北海道の原野で狂暴な羆と闘った。
重傷を負い病院に運ばれた北守と別れ別れになったゴロは、郷愁に駆られ、一路東京を目指す。
途中、ゴロが出会った流浪の男が刺殺されたことから、刑事官・安高則行が捜査に乗り出す。
流浪の男の背後には、巨大な政治悪と暴力が蠢き、ゴロの孤絶の旅を阻む。
飼い主・北守夫妻との再会も束の間、ゴロは再び危機に直面する。
北守の妻・礼子が、武器輸出汚職事件の黒幕の魔手に陥ち、拉致されたのだ。
黒幕の命を受けた暴力団に北守は射殺され、無数の銃口がゴロを狙う。
そのゴロの足跡を追い、礼子救出と汚職の黒幕逮捕に執念をみせる刑事官・安高則行。
北海道から舞台は西へ―人間と動物の命を賭けた衝撃のハード・ロマン。
(2)(1)を原作としたTVドラマ。1980制作。
1980年・三船プロダクション・1話60分
監督:池広一夫 他
原作:西村寿行 出演:長谷川真砂美 天田俊明 山田吾一
北海道で熊狩りの最中に父を亡くした礼子。一方、父と共に熊狩りをしていた紀州犬・ゴロは、東京で待っているもう一人の主人・礼子に逢おうと綱を噛み切った…。北海道から東京へ、ゴロの2000キロの旅を綴った感動ドラマ。
(3)(1)を原作とした大映映画。1979制作。監督:山根成之、主演:鶴田浩二
武器輸出にからむ汚職事件を背景に、その秘密を握る主人を失った猟犬の活躍を描く西村寿行の同名の小説の映画化で脚本は「白い肌の狩人 蝶の骨」の白坂依志夫と「走れトマト にっぽん横断三○○キロ」の加藤盛の共同執筆、監督は、「ダブル・クラッチ」の山根成之、撮影は椎塚彰がそれぞれ担当。<<