這い寄る暗闇に立ち向かう大義ならいらない。真っ向からの対峙なぞ死に行くつまらぬ勇気か。もしも肩を抱かれたとて言いなりにはなるな。数えるくらいの手荷物に相方一つ増えるくらい。 土に還したものが多すぎる故に手にした言葉の花束。そいつを街中ビルの墓標に手向けるのだ。風雨にさらされ陽に焼かれ雪に凍える脅迫の日こそ。傷んだ言葉の花弁は誰かの中に根付くでしょう。 黒い霧は良からぬ空想を掻き立ててくるものだ。それを良からぬ妄想、と片づける君は大丈夫。平穏の中に隠された突発的な想像の自己帰結。理解し難いを理解してほしい奴は数限りなく。 暗闇に呑み込まれるなかれ。誰も知りえない痛みを武器とせよ。暗闇に操られるな…