宝永3年8月8日。申(午後3時)前から文左衛門は瀬左と源太左へ行って稽古をし、夜話をする。近頃、源太左の南の大池で花火や流星(からくり花火)が何度も行われる。この夜も座って流星を見る。月に向かって詩を詠み、酒を呑みながら楽しむ。亥(午後9時)過ぎに帰る。
宝永3年7月24日。稲姫様は産後に乳が腫れ、熱が出て食事がとれず、乳が破れる。長尾全庵が処方するが、4,5日前から奥山賢徳院が処方する。昨日夜中に急変し、明け方卒去される。伊東駿河守の妻で年は26。26日子刻(午後11時)に出棺する。伊東氏の菩提所臨済品川東善寺に葬り、瑤台院殿性光慈厳大姉と号す。27,8の両日法事が行われる。8月7日、8日出雲様から法事が行われる。出棺の際、出雲様家老、番頭、用人、取次役が供をする。